御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


「お、高沢と氷上」

「加瀬くん・・・」


夢みたいに幸せな時間に邪魔が入った。


ドリンクバーから戻る途中なのか片手にジュースをもっている加瀬。


「氷上がここにいるってなんか違和感だな」

「加瀬、邪魔しないんじゃなかったの?」

「あーごめん。邪魔するつもりはなかったよ。たまたま部活のやつらと来たからさ、気づいてんのに声かけないのもあれだろ?」


まぁ、悪気はないんだろうな。


でも邪魔する気ゼロではないだろ。


加瀬が苺花を好きなことには変わりないし。


「か、加瀬くん!今日はメロンソーダじゃないんだね!」


空気を変えようとしたのか、苺花が慌てた様子で加瀬に話しかけた。


「そ。俺もカルピスソーダの気分だったからさ。高沢は安定のカルピスソーダだよな」

「う、うん」


・・・・・・。


何を見せられてる?


お揃いのカルピスソーダ?


お互いのことよく知ってるよって?


2つの真っ白なカルピスソーダを目の前に、俺の心は真っ黒に染まっていく。


邪魔はしないんじゃなかったの?


思いっきり邪魔だよ、加瀬。

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