御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
『氷上様と別れろ』
赤ペンでそれだけが書かれていた。
紙を持つ手が少しだけ震える。
ちょっと浮かれ過ぎていたかもしれない。
特Sのみんなが認めてくれたように思っていたけど、みんながみんなそうとは限らない。
琳凰くんは学園の王子様だもん。
よく思わない子だって絶対いるよね・・・。
浮かれて自分だけの世界になって忘れていた。
琳凰くんと付き合うってことは、こういうことだよね。
・・・・・・・・・覚悟しなきゃ。
そう思って、紙を折りたたみバッグに仕舞った。