御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
でも琳凰くんは変わらず私が話すのを待ってくれている。
このままだと、お父さんもお母さんも一生働けないかもしれない。
ふたりとも仕事の愚痴をこぼすこともあるけど、でもやりがいを持って働いている。
そんなふたりから大切な仕事を奪ってしまうなんて・・・
ツゥと涙が耳元に流れてくる。
私のせいだ。
私が忠告を無視し続けてきたから・・・
もう、私にできることは決まっている。
いっぱい考えた。
たくさん、たくさん考えた。
できればこんな決断に辿り着きたくなかった。
でも、今琳凰くんに話して解決したとしても、また同じようなことで私の大切な人たちを巻き込むかもしれない。
だから、これが一番最善の方法だと思うんだ。