御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


「ほんとなのか?」


のんちゃんが切り出した。


「・・・うん。やっぱり氷上くんちって、すごいでしょ?私みたいな庶民じゃ、最初からつり合わなかったな〜って思って。あはは」

「そんな変な顔して笑うなっ!なんで笑ってんだよ・・・。本当は違うだろ?私に嘘つくつもりか?そんなことしたら絶交だからなっ」

「っ・・・」

「私の前では無理しなくていい。ほんとの苺花を見せてよ。・・・話してよ」

「っぅ・・・のんちゃん〜っ」

「うん。ゆっくりでいいから」


そう言ってのんちゃんは私を抱きしめると、私が落ち着くまで背中を優しくポンポンしてくれた。


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