御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
第ニ話 忘れん坊の御曹司くん
あれから2週間経って、今日は水曜日。
あの日、保健室の帰り道に氷上くんに説教したけど、『はいはい、わかりましたよ、いいんちょー』と、本当に分かったのか分かってないんだか曖昧な返事をされた。
それからは、特に変わり映えのない毎日を過ごしている。
特Sクラス内は相変わらず、VIP科と普通科分かれて群れているけども。
特に争いごともなく、平和だ。
でも、最近ちょっとだけおかしな事がある。
3限目の現文の授業が始まり、今日は大丈夫そうだと小さく息を吐いた。
「ねぇ、いいんちょー。教科書見せて」
っきた!!!
「また忘れたの?」
「うん、ごめん」
「いや、いいんだけどさ・・・」
ガタガタと机を寄せる。