御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
っ、
ずっと見られている気がする。
どうしよう・・・
そんなことを思っていると、隣からサッと加瀬くんが前に出て来て私の前に立った。
「氷上、俺言ったよな?もう高沢に近づくなよ」
加瀬くん・・・・・・
琳凰くんと別れたことは当たり前に加瀬くんの耳にも入ってるよね・・・
目の前には加瀬くんの背中があって、琳凰くんの表情は見れない。
琳凰くん・・・・・・
今、何を考えてる・・・?
もう俺には関係ないって思ってるかな・・・
辺りは私たち以外に誰もおらず、しんっと静まり返ってピリッとした空気だけが漂っている。
ドッドッドッと自分の心臓がうるさい。
「・・・・・・それはできないな」