御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「琳凰、苺花さん。驚かせてすまんのう。全ては・・・・・・ワシが仕組んだことじゃ」
「・・・・・・。はぁーー・・・」
琳凰くんは全てを理解したように大きなため息を吐いて、肩手を額に当てている。
私は完全に思考停止状態。
「苺花さん、君には一番悪いことをしたね。本当にすまない。君のご両親のことはもう心配せんでいい。待遇の良い職場を用意させてもらったよ。すぐにでも働けるように話をつけてある。ここへ来る前にご両親にも話をさせてもらった」
「そ、れは・・・ほ、ほんとうですか・・・・・・」
「ああ。ご両親にも申し訳ないことをした。最後まで話を聞いて、しっかり理解してくださったよ。娘思いの素晴らしいご両親じゃな」
うそ・・・・・・
全部・・・全部、大丈夫なの・・・・・・?
頭が混乱している。
えぇ・・・
今までの全部、琳凰くんのおじいさまがやったこと・・・なの?
ガクッと全身の力が抜けて、床に座り込んだ。
「苺花っ」
駆けつけた琳凰くんの香りに包まれる。
「っ・・・お祖父様っ!いくらなんでも、やり過ぎではないですか!?」
琳凰くんが声を荒げた。