御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「えっと、どういう意味ですか?」
「そのまんまだよ」
そのまんまとな。
私に教科書を見せて欲しい?
「えっと、なんで??」
「んー、なんとなく?」
なんとなく・・・
・・・・・・・・・。
ガタガタッ
「ちょっと待って」
机を離そうとすると、氷上くんに机を掴まれ止められた。
「今日は、本当に教科書ないから」
「・・・・・・わかった」
本当みたいだから、大人しく机をくっつけた。
「ありがと、いいんちょー」
教科書を開く私に、ホッとしたような嬉しそうな声が届いた。
なんだろう・・・
最近の氷上くんは様子が変だ。