御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「おーっす。なんか盛り上がってんな!」
下駄箱に着いて話しながら靴を履き替えていると、後ろから加瀬くんがやって来た。
「苺花のおバカ説が証明されたんだわ」
「は?なんだそれ。高沢は頭いーだろ」
「うん、なんかもういいわ。加瀬が入るとまたややこしくなっから」
「おい、なんだそれ。ってか二人とも用事ある?ないならファミレス行かね?」
「お、それは賛成。ね、苺花」
「うん。私もちょっと小腹空いてる」
「よし、決まりだな!」
3人とも靴を履き替えると、昇降口を出た。
昇降口を出た先のロータリーにはVIPお迎えの高級車が列をなしている。
下校時間はいつもこうだ。
「ごきげんよう」という言葉が飛び交い、それぞれ車に乗り込んでいくご令息や、ご令嬢たち。
私たちはその横を通り校門へと向かう。