御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「誰にでもじゃないよ。高沢に、だから」
「えぇ〜?加瀬くんはみんなに優しいよ。のんちゃんにだって、いつもありがとね」
「いや、それは・・・・・・あー、豪速球ストレートじゃないとダメなんだった」
「ごめん、最後の方聞き取れなかった」
「あ、いやなんでもない」
そう言って加瀬くんは苦笑いを浮かべた。
ん?
そんなこんな話しているうちに教室に着いてしまった。
2限目の世界史の授業が始まり、私は教科書を開いた。
そういえば、氷上くんの話聞く暇なかったなーと思いながら、チラッと隣をみると、
パチッと目が合った。
「いいんちょー、教科書見せて」
おっと・・・!?