御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
・・・あ、次は前から2番目か。でも廊下側の一番端の列だ。
ガタガタガタッ
みんな机を移動させていく。
「お!高沢!隣じゃんっ、よろしく」
「あ、加瀬くん。よろしく・・・」
すごく違和感を感じるなと思ったら、氷上くんが隣じゃないからか。
いつぶりだろう?
しばらくずっと隣同士だったからな・・・
なんか変な感じ。
氷上くんはどこの席になったんだろう。
気づいたら自然と目で探していた。
結城くんが真ん中の一番後ろの席にいる。その隣が氷上くんの席のようだ。
結構離れちゃったな・・・
いや、今までが近すぎたんだ。これが普通なんだよね。
『俺たちのことはいいから』
そう言われてから、どこか距離ができた気がしていたけど、物理的にも離れちゃった。
「じゃじゃーん、私も来ちゃった」
「え!のんちゃん!加瀬くんの後ろ?やったやった!」
「集結したな。前の方嫌だと思ったけど、神席じゃん」
いつもの3人が揃った。
こんなの初めてでテンションが上がる。
でも、なんだろう。
この言いようのない寂しさは・・・