御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


「はい、これ。結城くんに頼まれたの」

「ありがとう。遠かったでしょ。ごめんね」

「ううん、大丈夫。それより、体調は?大丈夫?」


顔色は良いけど、やっぱり早退するくらいどこか悪いんじゃないかと少し心配になる。


「大丈夫。いいんちょーが来てくれたから」


そう言って嬉しそうに笑う氷上くん。


っ、


「そう言うこと簡単に言っちゃダメって言ったでしょ」

「照れてる?いいんちょー、可愛い」


な、なになに!?


なんか急に甘くないですか、氷上くん!


その時、


コンコンコン。


「お茶をお持ちしました」


榎田さんが扉を開けて現れた。


ワゴンを押して来て、お茶をテーブルに置いてくれる。


「どうぞ、こちらもお召し上がりください」


そう言って目の前に置かれたのは、フルーツたっぷりのケーキ。

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