御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


誰か休んでる人がいたんだ・・・。


起こしちゃったかな・・・


足音がこっちに近づいているのがわかる。


「え、いいんちょー・・・?」


その声に見覚えのある足元を視界に捉え、ゆっくりと重たい頭を上げた。


「氷上くん・・・・・・」


なんで、こんな時に・・・。


だめだ。何も言えない。


「どうした?大丈夫?・・・じゃなさそうだね」


そう言って氷上くんはしゃがむと私のおでこに手を当てた。


「あっつ!これはやばいな・・・・・・ちょっとじっとしてて」


そう言われた瞬間、ひょいっと身体が宙に浮いた。

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