御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


午前の授業を終え、昼休み。


学園のカフェテリアに私たち3人は来ていた。


VIP科と普通科の校舎の間にあるこのカフェテリアは、全校生徒が利用するとてつもなく広い食堂だ。

中庭側は全面ガラス張りで、天井も高くとても開放感がある。


メニューは、高級食材を使った一流シェフが作る一食5000円のVIP向けの料理から、一食300円〜500円で食べられる普通科向けの料理まで数多く取りそろえてある。


もちろん私たちは後者で、それぞれ注文し席に座った。


「ん〜美味し〜っ」


カレーライスを頬張り、思わず心の声が漏れた。このホロホロの牛ほほ肉が最高なんだよね〜。


「ホントいちかは美味しそうに食べるよね」

「高沢があっちの高級料理食べたらどうなるんだろうな」

「発狂するんじゃない?」

「間違いないな」


私の隣に座るのんちゃんと目の前の加瀬くんがまた好き勝手言っている。


「さすがに発狂はしないよ」

「真面目に返すな」


間髪入れずのんちゃんにツッコまれ、思わず笑みが漏れた。

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