御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「高沢、食欲ないじゃん。大丈夫か?」
いつものようにカフェテリアでのんちゃんと加瀬くんと6人テーブルに座り、ランチを食べているところ。
目の前に座っている加瀬くんが私の止まっている手元を見て言った。
「ううん、大丈夫。食べる食べる。ちょっと考え事してた」
「そ?俺の唐揚げ1個食べる?」
「え!いいの?」
「おお」
加瀬くんが私のオムライスプレートに唐揚げを1個のせてくれた。
「ありがとうっ!」
「ハハッ、大丈夫そうだな。よかった」
「ん?うんっ」
「加瀬、お前は本当によくやってるよ。報われるべき人間だ」
「お、おぉ。ありがとな、森下」
加瀬くんはやっぱり優しいなぁ。
しみじみと思いながら唐揚げを頬張った。
「お、ここ空いてる感じ?」
何やら豪華なプレートを持った結城くんが、加瀬くんの隣にやって来た。