御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「げ」
あからさまに嫌悪感をあらわにするのんちゃん。
「オレも混ぜて〜。いいよね?森下ちゃん」
「・・・もう座ってんじゃん」
そう言ってきた結城くんはすでに着席済み。加瀬くんの隣で、のんちゃんの前の席。
のんちゃんは呆れている様子。
「森下ちゃん、そんなに見つめないで。照れるから」
「地獄に堕ちろ」
「私に堕ちろ?喜んでっ」
「くたばれ」
「ふははっ。森下ちゃん、やっぱサイコー」
私はそんな二人のやり取りを微笑ましく見ていた。
「なんだかんだお似合いだな?ふたり」
「おい、加瀬。殴られたいのか?」
「加瀬っち。もっと言ってくれ」
割と本気でキレてるのんちゃん。それとは真逆に嬉しそうな結城くん。
「暴力はんたーい」
そう言って加瀬くんが両手を上げてるのを見て笑ってしまった。
今日も平和だ。そう思った時だった、
「あのー・・・、私たちもここ、いいですか?」