御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
氷上くんの動きは全然なまってないよ。
寧ろリードしてくれて、すごく踊りやすい。
絶対に練習なんかいらないのに。
どうして・・・・・・
もうダメだ。
・・・・・・気づいてしまった。
この胸の痛みの正体に。
氷上くんへの気持ちに。
気づいたところで、この気持ちが実らないことは確定で、私の想いはすでに行き場をなくしている。
これ以上、氷上くんと一緒にいると辛い。
この気持ちが大きくなり過ぎる前に離れないと・・・・・・
「氷上くん」
「ん?」
優しい顔と声で私の次の言葉を待ってくれている。