御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
第六話 ラストダンスは誰と
なんで・・・・・・
どうしてそんな顔してるの?
全く想像もしていなかった氷上くんの表情に戸惑う。
そうだなって言われてあっさり終わると思ったのに。
そんな顔されたら・・・・・・
「・・・氷上くん、どうし「高沢っ!」
氷上くんに話しかけたところで、切羽詰まったような声に名前を呼ばれ振り返った。
「加瀬くん・・・」
少し離れたところに、息を切らした加瀬くんが立っていた。
なんだか険しい顔でこっちに近づいてくる加瀬くん。
「氷上っ、中途半端なことすんなよ。お前には藤堂さんがいるだろ?高沢は、俺のパートナーだから」
加瀬くんはそう言って私の手を掴むと優しく自分の方へ引き寄せた。