御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「高沢のこと探してたんだ。中庭に行くの見たってやつがいたからさ」
「あー、そうだったんだね。私に用事?」
「うん。・・・・・・俺、高沢が好きだ」
「・・・・・・・・・えっ」
え?
ちょちょちょっと待って。
今、好きって言った・・・?
加瀬くんが、・・・・・・私を?
「ごめん。急に言われても困るよな。でも俺ちょっと焦ってて・・・・・・ダサいな。実は、中学の時からずっと高沢のこと好きだったんだ」
苦笑いを溢しながら、でも真っ直ぐに気持ちを伝えてくる加瀬くん。
彼が冗談でこんなことを言ってくる人ではないことはわかっている。
「今すぐに返事が欲しいわけじゃなくて、知ってて欲しかっただけだから、俺の気持ち。だから、これからはただの友達じゃなくて、男として意識してくれると嬉しい」
でも今まで通り接してくれればいいからって加瀬くんは笑ったんだ。