御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
ポスっと自分の部屋のベッドに倒れ込んだ。
お風呂も済ませてあとは寝るだけ。
今日は、なんか疲れた。
頭も心も忙し過ぎて・・・・・・
『中学の時からずっと高沢のことが好きだったんだ』
加瀬くんの告白、ドキドキしてしまった。
まさか加瀬くんがそんな風に思ってくれてるなんて・・・・・・全然気づかなかった。
中学の時からって・・・・・・。
『舞踏会のラストダンス、俺と踊ってくれたら嬉しい』
最後の最後で加瀬くんが言った言葉。
舞踏会のラストダンスを踊る相手は、本命の相手。つまり、好きな人。
加瀬くんとラストダンスを踊れば、告白の返事はOKするということ。
みんなパートナーと参加するけど、そのパートナーは婚約者や恋人同士じゃない人たちだってもちろん沢山いる。私と加瀬くんみたいに。
そういう人たちは、ラストダンスを踊る相手は、パートナーじゃなくて好きな人に申し込んでいい。
だから、3曲目のラストダンスを踊っている人たちは、みんな両想いということになる。
はぁ・・・
ため息が出る。
加瀬くんはすごくいい人だし、嫌いでもないし、寧ろ好きな方。
でもその好きは・・・
頭に浮かんでくるもう一人とは、違う。
どうしよう。どうしたらいいんだろう。
私は、どうしたいんだろう。
壁に掛けられたカレンダーを見ると、舞踏会まであとちょうど3週間だった。