御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


ポスっと自分の部屋のベッドに倒れ込んだ。


お風呂も済ませてあとは寝るだけ。


今日は、なんか疲れた。


頭も心も忙し過ぎて・・・・・・


『中学の時からずっと高沢のことが好きだったんだ』


加瀬くんの告白、ドキドキしてしまった。


まさか加瀬くんがそんな風に思ってくれてるなんて・・・・・・全然気づかなかった。


中学の時からって・・・・・・。


『舞踏会のラストダンス、俺と踊ってくれたら嬉しい』


最後の最後で加瀬くんが言った言葉。


舞踏会のラストダンスを踊る相手は、本命の相手。つまり、好きな人。


加瀬くんとラストダンスを踊れば、告白の返事はOKするということ。


みんなパートナーと参加するけど、そのパートナーは婚約者や恋人同士じゃない人たちだってもちろん沢山いる。私と加瀬くんみたいに。


そういう人たちは、ラストダンスを踊る相手は、パートナーじゃなくて好きな人に申し込んでいい。


だから、3曲目のラストダンスを踊っている人たちは、みんな両想いということになる。



はぁ・・・


ため息が出る。


加瀬くんはすごくいい人だし、嫌いでもないし、寧ろ好きな方。


でもその好きは・・・


頭に浮かんでくるもう一人とは、違う。


どうしよう。どうしたらいいんだろう。


私は、どうしたいんだろう。



壁に掛けられたカレンダーを見ると、舞踏会まであとちょうど3週間だった。


< 85 / 165 >

この作品をシェア

pagetop