初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
「あの。このお部屋について、お聞きしてもよろしいでしょうか」
オネルヴァが気になっていたのは、この室内だった。至る所にうさぎのぬいぐるみが並べられている。しかもこのぬいぐるみに見覚えはあった。
「あ、あぁ……」
イグナーツの歯切れが悪い。彼の顔も赤く染められたままである。
「こちらのぬいぐるみは、エルシーの部屋にあったものと同じぬいぐるみですね」
「そ、そうだな……」
イグナーツは、まだオネルヴァと視線を合わせようとはしない。
「しかも、こんなにたくさん」
オネルヴァが「たくさん」と口にしてしまったが、ざっと見積もってもうさぎのぬいぐるみは二十個ほど並んである。
もしかして、エルシーが二十歳になるまでの分のぬいぐるみが並んでいるのだろうか。エルシーは誕生日のたびにこのぬいぐるみをプレゼントしてもらっていると言っていたからだ。
オネルヴァが気になっていたのは、この室内だった。至る所にうさぎのぬいぐるみが並べられている。しかもこのぬいぐるみに見覚えはあった。
「あ、あぁ……」
イグナーツの歯切れが悪い。彼の顔も赤く染められたままである。
「こちらのぬいぐるみは、エルシーの部屋にあったものと同じぬいぐるみですね」
「そ、そうだな……」
イグナーツは、まだオネルヴァと視線を合わせようとはしない。
「しかも、こんなにたくさん」
オネルヴァが「たくさん」と口にしてしまったが、ざっと見積もってもうさぎのぬいぐるみは二十個ほど並んである。
もしかして、エルシーが二十歳になるまでの分のぬいぐるみが並んでいるのだろうか。エルシーは誕生日のたびにこのぬいぐるみをプレゼントしてもらっていると言っていたからだ。