初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
「ここにあるものは俺が作ったわけだが。別に手に針を持って、ちくちくやっているわけではない」
その言葉に、オネルヴァは目をきょとんとさせる。針を持たずにどうやってぬいぐるみを作るのだろうか。
「まあ、見てもらったほうが早いだろう」
イグナーツは、ソファに深く座った。
「君も、隣に座りなさい」
ぽんぽんとソファの上を叩かれたため、オネルヴァは少し躊躇ってからそこに腰をおろした。
その様子を見ていたイグナーツは満足そうに微笑むと、腕を組み、ソファに大きく寄り掛かる。オネルヴァから見たら、まるで居眠りでもするかのような格好にも見えた。
「あ……」
テーブルの上にあった針と糸が勝手に動き出す。それらが勝手に布を縫い合わせていく。
「もしかして、魔術でぬいぐるみを作っているのですか?」
「そうだ。俺は、他の者よりも魔力が強くてな。こうやって定期的に魔力を解放しなければ、魔力に侵される。だが、この方法も万能ではないんだ。俺が軍に入ったのも、定期的に魔力を解放するのが目的だった」
だが魔力のないオネルヴァにとってはイメージが沸きにくい話である。それに、なぜ魔力解放がぬいぐるみを作ることに結びつくのかもわからない。とにかく、魔力を使えばいいのだろうか。
「魔力の解放とは、こうやって魔力を使われることなのですか? 他の方もやられている一般的な方法なのですか? それとも、魔力の強い旦那様だからこそ、必要なことなのでしょうか?」
疑問が一気に口から出てきた。
その言葉に、オネルヴァは目をきょとんとさせる。針を持たずにどうやってぬいぐるみを作るのだろうか。
「まあ、見てもらったほうが早いだろう」
イグナーツは、ソファに深く座った。
「君も、隣に座りなさい」
ぽんぽんとソファの上を叩かれたため、オネルヴァは少し躊躇ってからそこに腰をおろした。
その様子を見ていたイグナーツは満足そうに微笑むと、腕を組み、ソファに大きく寄り掛かる。オネルヴァから見たら、まるで居眠りでもするかのような格好にも見えた。
「あ……」
テーブルの上にあった針と糸が勝手に動き出す。それらが勝手に布を縫い合わせていく。
「もしかして、魔術でぬいぐるみを作っているのですか?」
「そうだ。俺は、他の者よりも魔力が強くてな。こうやって定期的に魔力を解放しなければ、魔力に侵される。だが、この方法も万能ではないんだ。俺が軍に入ったのも、定期的に魔力を解放するのが目的だった」
だが魔力のないオネルヴァにとってはイメージが沸きにくい話である。それに、なぜ魔力解放がぬいぐるみを作ることに結びつくのかもわからない。とにかく、魔力を使えばいいのだろうか。
「魔力の解放とは、こうやって魔力を使われることなのですか? 他の方もやられている一般的な方法なのですか? それとも、魔力の強い旦那様だからこそ、必要なことなのでしょうか?」
疑問が一気に口から出てきた。