初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
「お母さま……。きれいです」
エルシーがうっとりとしている。
「エルシーも、お父さまとお母さまが一緒に踊っているところを見たかったです」
屈託無い笑顔でそう言われてしまうと、なぜか羞恥に包まれる。
「できるだけ早く帰ってくる」
イグナーツがエルシーに言葉をかけると、エルシーはむぅと頬を膨らませる。
「エルシーも、早く大人になりたいです」
「よい子で待っていてくださいね」
オネルヴァもエルシーの頭をぽふっと撫でた。
「お父さま、お母さま。いってらっしゃいませ」
エルシーに見送られて馬車に乗り込むと、緊張のためかじっとしていられない衝動に駆られた。落ち着かないのだ。
向かい側に座っているイグナーツは、腕を組んで目を閉じている。
話しかけてはいけないような気がした。だが、そんな彼は、目を閉じながらもゆっくりと口を開く。
「落ち着かないのか?」
エルシーがうっとりとしている。
「エルシーも、お父さまとお母さまが一緒に踊っているところを見たかったです」
屈託無い笑顔でそう言われてしまうと、なぜか羞恥に包まれる。
「できるだけ早く帰ってくる」
イグナーツがエルシーに言葉をかけると、エルシーはむぅと頬を膨らませる。
「エルシーも、早く大人になりたいです」
「よい子で待っていてくださいね」
オネルヴァもエルシーの頭をぽふっと撫でた。
「お父さま、お母さま。いってらっしゃいませ」
エルシーに見送られて馬車に乗り込むと、緊張のためかじっとしていられない衝動に駆られた。落ち着かないのだ。
向かい側に座っているイグナーツは、腕を組んで目を閉じている。
話しかけてはいけないような気がした。だが、そんな彼は、目を閉じながらもゆっくりと口を開く。
「落ち着かないのか?」