初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
ヘニーは、オネルヴァが眠りにつくまであれこれ世話を焼いた。あまりにも親切すぎて、変に疑いたくなったが、眠りに着くころにはその警戒心も和らいだ。
次の日は、ゼセール王国の馬車へと乗り込んだ。オネルヴァを連れてきたキシュアス王国の馬車は、テシェバへと戻っていく。
ヘニーはオネルヴァの隣に座ったが、オネルヴァの夫となるイグナーツについて、いろいろと話してくれた。
イグナーツは四十一歳。六歳になった娘がいて、名前はエルシー。
イグナーツは明るい灰色の髪に茶色の目。エルシーは金色の髪に茶色の目。親子だから、目の色は似ているのだろう。
まだ会ったことのない夫と娘となる人物を頭の中で想像する。
ヘニーはエルシーの話をするときは饒舌になった。エルシーがどれだけ愛されているかひしひしと伝わってくる。それが、どこか羨ましいと感じてしまう自分に、少しだけ躊躇った。
「仲良く、できますでしょうか」
「エルシーお嬢様も、オネルヴァ様がこられることを楽しみにされておりますよ」
その一言で、少しだけ心が軽くなった。
イグナーツとエルシーは、ゼセール王国の王都アラマにある別邸で暮らしているとのことだった。
馬車もそこへと向かっている。
カタカタカタと揺れる動きが心地よい。
次の日は、ゼセール王国の馬車へと乗り込んだ。オネルヴァを連れてきたキシュアス王国の馬車は、テシェバへと戻っていく。
ヘニーはオネルヴァの隣に座ったが、オネルヴァの夫となるイグナーツについて、いろいろと話してくれた。
イグナーツは四十一歳。六歳になった娘がいて、名前はエルシー。
イグナーツは明るい灰色の髪に茶色の目。エルシーは金色の髪に茶色の目。親子だから、目の色は似ているのだろう。
まだ会ったことのない夫と娘となる人物を頭の中で想像する。
ヘニーはエルシーの話をするときは饒舌になった。エルシーがどれだけ愛されているかひしひしと伝わってくる。それが、どこか羨ましいと感じてしまう自分に、少しだけ躊躇った。
「仲良く、できますでしょうか」
「エルシーお嬢様も、オネルヴァ様がこられることを楽しみにされておりますよ」
その一言で、少しだけ心が軽くなった。
イグナーツとエルシーは、ゼセール王国の王都アラマにある別邸で暮らしているとのことだった。
馬車もそこへと向かっている。
カタカタカタと揺れる動きが心地よい。