初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
「はい。エルシーはお父さまとお母さまの真ん中です」
エルシーも横になる。オネルヴァは手にしていた絵本を片づけると、ガウンを脱いでエルシーの隣で横になった。
「明かりを消そうか?」
「お父さま。明かりは、豆明かりにしてください」
豆明かりとは、魔石灯を全部消さずに少しだけ灯しておくこと。豆明かりにすれば、部屋は真っ暗闇ではなく、薄闇になる。
「わかった」
イグナーツが部屋の中心にある煌々と輝く魔石灯にぴっと指を向けた。明かりは次第に弱まっていく。
「お母さまのお顔が見えます。こちらにはお父さまがいます」
豆明かりであれば、人の姿もなんとなく見える。
オネルヴァの隣からは、うふふ、うふふと、エルシーの嬉しそうな笑い声が聞こえてくる。
「エルシー。そうやって興奮しては眠れなくなりますよ。気持ちを落ち着かせましょう」
オネルヴァが手を伸ばし、エルシーの小さな手を握った。
「こっちの手はお父さまと」
エルシーは手を繋いで寝るのが気に入ったようだ。空いているもう片方の手は、イグナーツと繋ぐつもりらしい。
エルシーも横になる。オネルヴァは手にしていた絵本を片づけると、ガウンを脱いでエルシーの隣で横になった。
「明かりを消そうか?」
「お父さま。明かりは、豆明かりにしてください」
豆明かりとは、魔石灯を全部消さずに少しだけ灯しておくこと。豆明かりにすれば、部屋は真っ暗闇ではなく、薄闇になる。
「わかった」
イグナーツが部屋の中心にある煌々と輝く魔石灯にぴっと指を向けた。明かりは次第に弱まっていく。
「お母さまのお顔が見えます。こちらにはお父さまがいます」
豆明かりであれば、人の姿もなんとなく見える。
オネルヴァの隣からは、うふふ、うふふと、エルシーの嬉しそうな笑い声が聞こえてくる。
「エルシー。そうやって興奮しては眠れなくなりますよ。気持ちを落ち着かせましょう」
オネルヴァが手を伸ばし、エルシーの小さな手を握った。
「こっちの手はお父さまと」
エルシーは手を繋いで寝るのが気に入ったようだ。空いているもう片方の手は、イグナーツと繋ぐつもりらしい。