欲求不満な旅人達(2nd)

剣を抜かない勇者の話

ダグラスの視点

アリシア「お願いしておいてごめんなさい」

シャロン「あぁ・・・きにしないで」

ダグラス「知り合い?」

アリシア「ユニットに入れてもらえないかってお願いしてたの」

シャロン「女性だったんですね・・・」

アリシア「ははは」

ん?男性だと思っていたのだろうか?

アリシア「あの時は酔ってましたよね」

確かに髪は短いし・・・胸はないか・・・

顔つきは・・・面長で彫が深いけど・・・

そう見えたのか

まぁ、シャロンの顔の方が女性的かもしれない

シャロン「それなりにいいやつだから安心していいと思うけど」

微妙なフォローをしている

アリシアの方が歳が上だった気がするけど・・・まぁいいか

報告書を読み終わったソアラとエドガーが会話に入ってくる

ソアラ「この顔で男性だと思ったのか?」

シャロン「今見ると美人だとは思うよ」

エドガー「どれだけ酔ってたんだ?」

シャロン「自分で歩けないくらいには・・・ゴメン」

ソアラ「そういえば剣を抜かない勇者の話を聞いたことは?」

ダニエル「?」

アンジェラ「あ・・・昔そんな話があったような」

ソアラ「もしも次にメンバーを追加するなら」

アンジェラ「なるほど、今でもあるのかな?」

ソアラ「偏見だからな・・・」

ロビンとアリシアがはてな顔をしている

ノアとシェリルは興味がない風だった

シャロン「あ、あれか」

ダグラス「ん・・・なんだっけ?」

アンジェラ「あとで教えてあげる」

ダグラス「?」

アンジェラ「でも・・・たしかにそう見えなくもないかな・・・」

シャロン「たしかにね・・・」

情報交換と雑談をしてた

シャロン達はもう少しこの街にいるらしい

シャロン「そっか・・・東の街に行くのか」

ダグラス「最近人が流れたらしくて手薄になったらいい」

シャロン「だと私のところにも要請がくるかもな・・・」

ダグラス「かもね」

シャロン「それじゃあ、また」

ダグラス「あぁ、また」

荷物をまとめて夕方の汽車にのる

汽車の中で「剣を抜かない勇者」の話を聞いた

一人の男性が4人の女性を連れて旅をしていたらしい

男性は指示を出すだけで調査や戦闘は女性がおこなっていたらしい

4人とも奴隷を買ったとか

命がけで仕事をする代わりに生活を与えた

夜も奉仕させていたとか・・・そんな噂話だった

なるほど、俺が3人の女性を連れて歩いているとそういう目でみる人がいるわけか

下心はあるといえばあるが・・・現実的にはそうはならないのがつらい。

アリシアの視点

アンジェラとシェリルは知っていてそうしていたのだろう

なんとなく楽しそうだ

そんな話をされたらダグラスはよけいに手を出しにくくなるのかもしれない

・・・まぁ、私が慰めてあげるということもないだろう

この先そういう仲になるようなことがあるのだろうか?

窓の外をながめながらそんなことを思う
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