攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

第2話

 なんだ、なんだ、この感じ。
 にこやかなのに、面倒くさそうなこの感じ。
 小役人臭がするような。
 標準語で話されたら、めっちゃ他人事に聞こえる。


 よくよく考えて答えてね?
 何なん、その言い方。
 決めたのは貴女、何か問題が起こっても。
 私が決めたんじゃありませんよ、と言いたげな。
 わたしに責任丸投げ?
 顔はヨーロッパ耽美映画に出てきそうな美少年なのに。
 性格は、めっちゃ悪そうやん。



「……何で転生なんですか?
 死んだら、天国か地獄か、とかやなくて?」

「何で転生か、というと……想像出来るでしょ?
 今回の事故はこちらのミス。
 本当は午後から休めるはずだったのに、バスの運転手は代理を頼まれてね。
 彼は疲れててハンドル操作を誤っちゃったんだよ」

「間違って、死んだ……」

「でも、質問するってことは、一応この状況は受け入れてくれてるんだよね?
 普通は、転生って理解できなくて、僕の言うことを最初からはちゃんと聞けない人が多いんだけど。
 この事案がオーハシさんの様なタイプが多いなら、皆早く片付きそうだね」


 誤魔化したいのか、えらく早口で畳み掛けるように少年は話し続けた。
 
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