攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

第14話

 グレンジャーはとにかく早く魔法棟へ戻りたくて、皆を代表するように立ち上がった。
 


「……あぁ、そうなんだ。
 色々と大変だと思うけど、がんばってね。
 ミシェル、これからも君の幸せを祈っているよ」


 転生、なるものの説明を求めるべきか?
 だけど、余り興味ないし。
 ミシェルに向けた激励の言葉にしては、あっさりし過ぎてたかな?
 元々、長居するつもりはない。
 フィリッパはせっかちではないが、余り待たせたくはない。


 グレンジャーはそれだけ言うと、教室から出ていった。
 後ろから、ローマンとマーク、アランも続いて出てくる。


「言っちゃったねー、とうとう」

 ローマンまでが訳の分からないことを言う。



「お前らさぁ、何をさっきから言ってんの?」

「え……グレンは違うの?」

「ミシェルに引っ掛かったの、ウェズリーだけだから。
 あいつはそうじゃないとは思っていたけど。
 グレンは思い出したんだと……」

「違うなら、いいよ。
 変なこと聞かせてごめんな?
 気にせずに、な?」
 
 

 思い出したんだ?
 何を?


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