攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

「明日、18時に!
 お前の家に行ってもいいか?」

「……あのさぁ、一番最近は夏休み明けに確認してきただろ?
 それも忘れてんの? お前さぁ~ひとりで夜祭りなんて行って大丈夫なの?」

「……あ、ああ、そうだったよな……大丈夫だ」

「俺がお前んとこへ行ってもいいけどなぁ~?」


 沈着冷静な普段からは想像もつかない、落ち着きの無いオスカーを心配して、わざと軽い調子でグレンジャーが尋ねた。
 魔法を掛ける約束をしていたが、本調子に見えない友人を祭りに1人で行かせていいのか。


 今月に入った辺りからのオスカーの様子に、何度も俺も一緒に行こうかな、と明るく誘ってみたが。
 1人で行くから、とオスカーは頑なだった。


 1年前から明日の約束を繰り返しした。
 余程の事情があるだろうに話してくれない事は悔しいが、多分俺を巻き込みたくないのだろう、とは想像がつく。



「いいよ、約束通りに俺が18時にお前のウチへ行くから」

「……わかったよ、待ってるからな」

「すまない、ありがとう」


 オスカーは腹を押さえていて顔色も悪かったが、グレンジャーに何度も礼を言い、帰っていった。
 
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