攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
その後姿を見つめるグレンジャーの赤い瞳が、暗い光を灯して揺れた。
オスカー本人が親父殿から魔法に掛けられているのを知らない、という事は。
物心がつく前の幼い頃か、もしかしたら赤ん坊の頃か。
オスカーの髪色を黒く変え、身体に強力な保護魔法をかけた親父殿。
初めて自宅に連れて行った時は、以前からオスカーを知っていたようには見えなかったのに。
オスカーの方も然り。
ふたりの関係性は置いておいても、養父が掛けた魔法の意味が不明だ。
通常の保護魔法は内外双方からの攻撃に備えてかけられるものだ。
幼い頃に髪色を変えるまでして、何かからオスカーを守りたかったのなら、まず警戒するべきは毒物なんじゃないのか?
「彼さ、オスカー・オブライエン。
心身ともにヤラれてる感じだね?」
不意に隣で、声がした。
カール・ライデルだった。
……忘れもしない、初めて自分の魔法でひとを傷付けた日。
途中でオスカーに帰らされたカール・ライデルだった。
オスカー本人が親父殿から魔法に掛けられているのを知らない、という事は。
物心がつく前の幼い頃か、もしかしたら赤ん坊の頃か。
オスカーの髪色を黒く変え、身体に強力な保護魔法をかけた親父殿。
初めて自宅に連れて行った時は、以前からオスカーを知っていたようには見えなかったのに。
オスカーの方も然り。
ふたりの関係性は置いておいても、養父が掛けた魔法の意味が不明だ。
通常の保護魔法は内外双方からの攻撃に備えてかけられるものだ。
幼い頃に髪色を変えるまでして、何かからオスカーを守りたかったのなら、まず警戒するべきは毒物なんじゃないのか?
「彼さ、オスカー・オブライエン。
心身ともにヤラれてる感じだね?」
不意に隣で、声がした。
カール・ライデルだった。
……忘れもしない、初めて自分の魔法でひとを傷付けた日。
途中でオスカーに帰らされたカール・ライデルだった。