攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
第17話
グレンジャー、いや、大橋柚希は。
立っていることに耐えきれず、見えない床に膝をついた。
少年は柚希に手を貸して、立ち上がらそうとしている。
「君が願ったこの世界、それぞれが希望した人物に転生出来た訳じゃなくて、残ったキャラクターを仕方なく、この人にします、なんて言うのもあったんだけど。
概ね、うまくいったと思う」
「……わたし、一番にグレンを選んだんですね?」
「そうだね……前世の君の『推し』はオスカーだよね?
だけど君は彼本人や彼の愛する人に転生はしたくない、と僕に言ったんだよ。
覚えているかな?」
その時のことは、殊更鮮やかに覚えていた。
オスカーを初めて誌面で見た時、その造形に心を奪われた。
まだ、ヒーローとも何ともなっていない、ただのヒロインの同級生。
ヒロインのミシェルが最初に攻略したウェズリーの友人として登場したのに。
段ぶち抜きの全身立ち姿の初登場に。
彼は絶対に、真のヒーローだと確信した。
立っていることに耐えきれず、見えない床に膝をついた。
少年は柚希に手を貸して、立ち上がらそうとしている。
「君が願ったこの世界、それぞれが希望した人物に転生出来た訳じゃなくて、残ったキャラクターを仕方なく、この人にします、なんて言うのもあったんだけど。
概ね、うまくいったと思う」
「……わたし、一番にグレンを選んだんですね?」
「そうだね……前世の君の『推し』はオスカーだよね?
だけど君は彼本人や彼の愛する人に転生はしたくない、と僕に言ったんだよ。
覚えているかな?」
その時のことは、殊更鮮やかに覚えていた。
オスカーを初めて誌面で見た時、その造形に心を奪われた。
まだ、ヒーローとも何ともなっていない、ただのヒロインの同級生。
ヒロインのミシェルが最初に攻略したウェズリーの友人として登場したのに。
段ぶち抜きの全身立ち姿の初登場に。
彼は絶対に、真のヒーローだと確信した。