攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
「グレンがオスカーを憎む?」
「オスカーは、グレンジャーが唯一愛してるミシェルの想いびと、であり。
カーネルが自分を養子にしたのは、オスカーの代わりだ、と思い込んでしまってね。
ミシェルの幸せのため、と理由を付けては、オスカーを攻撃するキャラなんだよ」
グレンジャーがそんな設定だとは知らなかった。
政略対象者であるけれど、ただそれだけの存在だと思っていた。
「『乙花』の世界じゃ魔法使いは万能で、念じればそれが叶う。
そんな能力者のグレンジャーに、オスカーひとりで勝てるわけがない。
それでトクラさんは、対抗馬を考え出した」
対抗馬……推しの敵になるはずだったグレンジャーと戦う……
「君が知ってる時点では、主要人物達と同じ世代の魔法使いはグレンジャーのみだった。
だからと言って、彼以外に魔法が使えるキャラが居なかった訳じゃないんだ」
魔法科の同級生達の顔を、次々と思い浮かべた。
政略対象者だったローマン、女性ながらに学年一の炎の使い手のピッパ……
そして、次に浮かんだ顔は。