攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
◇◇◇
約束の18時になる前に、訪れたオスカーをグレンジャーは歓迎した。
昨日とはまるで別人のように晴れやかな表情をした親友は、噂の義妹をエスコートして現れたので、なるほどと思ったけれど、自分からは何も聞くまい、と瞬時に判断した。
友達だから遠慮しない主義のグレンジャーだが、恋愛系に関しては、ずけずけと踏み込みたくなかったからだ。
それに、本当は親友じゃなくて、敵になるはずだった俺を。
戸倉さんの記憶が戻ったロザリンドは、どう見てるのか、少し不安ではあった。
オスカーは兄ダンカンとのあらましを簡単に説明して、先程解決したので夜の仮面祭りには行かないのだ、とグレンジャーに語った。
あの夜のミシェルとの出会いには、そんな事情があったのか、と驚いたが、そんな思いはおくびにも出さない。
「あ、それと……ミシェル嬢は俺の義姉になるみたいだ」
「え? 何や?」
この情報には、さすがのグレンジャーも驚いた。
ヒロインがヒーローの、あね?
「兄貴がプロポーズして、それを彼女が受けた……というか。
そうなるように上手く仕向けたと、いうか」
苦笑しながら、オスカーは隣のロザリンドと、視線を絡ませていて。