攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
 あれ程結束力の固いクラスだと言われていても、やはり校舎も変われば共有する時間も減る。
 将来に向けての専門的な授業が中心になり、話す相手も同じ専攻同士になる。


「カールはちょっと遅れる、って」



 先に来ていたオスカーは、今日はランチボックス持参だ。
 中身を見せて貰ったらチーズとハムを挟んだホットサンドで、飾りの苺が大変可愛らしいお弁当だった。
 ……これは多分、ロザリンドのお手製だ。


 どう考えても、この世界にホットサンドメーカーは存在しないはずなのに、ロザリンドが願えば、それが出現するのだろうか。
 この世界の電力って何だっけ?
 風か水か、今まで意識もしていなかった。

 ロザリンド、俺なんかよりよっぽどチートじゃん。
 神様、お気に入りとは言え、穂波さんに甘過ぎませんか……



「神様ってさぁ、依怙贔屓めちゃするよな」

「お前の、魔法使いの万能能力のこと?」



 絶対にオスカーは2年も神様が穂波さんと仲良く過ごしてた、なんて聞いたら、ジェラるだろうから、言えない。

< 92 / 97 >

この作品をシェア

pagetop