Far away ~いつまでも、君を・・・~
「プランナ-としての責任感、義務感、それに営業成績というのはあるんだろう。だけど、その為に廣瀬彩という1人の女性としてのいろいろな思いを飲み込んでもらってまで、俺は君に頼みたいとは思わない。だから、俺は今日、君の本当の気持ちを聞きたくて、ここに来たんだ。」
「・・・。」
「俺は、自分の彼女のわがままで、君の心を踏みにじる真似だけはしたくない。」
そう言い切った大地を、息を飲んだように見つめる彩。
しばしの沈黙が流れる、そして意を決したように彩は言った
「私の方に・・・あなたとの約束を破り、あなたを振ったことへの罪悪感と後悔こそあれ、わだかまりなんかあるわけありません。」
「罪悪感と後悔はあるんだ。」
「あなたを傷つけてしまったことは、ずっと後悔していたし、今でも申し訳ないと思ってます。」
「でも、別れたことは後悔してないんだろ?」
そう言って、皮肉気な笑いを浮かべる大地。見たことのないその表情に、彩は言葉を失う。
「わかってたんだよ。」
「えっ?」
「彩の心の中には、俺じゃなくて誰だか知らない他の奴がいるって。」
「大地さん・・・。」
「焦ってたんだろうな、俺。卒業して時間がますます合わなくなるのも目に見えてたし。だからあの時、俺は勝負を掛けたんだ。君が頷いてくれた時は嬉しかった。俺はそいつに勝ったんだって、本当に嬉しかったんだ。」
「・・・。」
「だが、君は結局、心の中のそいつを振り切れなかった。土壇場で君に拒まれた時、俺は無力感で心を折られた。だから・・・君を追いかけられなかった。」
いつのまにか俯いている彩。何も言えず、大地の顔を見ることも出来ない。
「ズタズタの心のまま就職して、もう恋なんて絶対にするかなんて、結構マジで思い詰めて3年間、脇目も振らずに仕事に没頭してたら、あいつが、鯉沼麻美が俺の前に現れたんだ。」
「・・・。」
「・・・。」
「俺は、自分の彼女のわがままで、君の心を踏みにじる真似だけはしたくない。」
そう言い切った大地を、息を飲んだように見つめる彩。
しばしの沈黙が流れる、そして意を決したように彩は言った
「私の方に・・・あなたとの約束を破り、あなたを振ったことへの罪悪感と後悔こそあれ、わだかまりなんかあるわけありません。」
「罪悪感と後悔はあるんだ。」
「あなたを傷つけてしまったことは、ずっと後悔していたし、今でも申し訳ないと思ってます。」
「でも、別れたことは後悔してないんだろ?」
そう言って、皮肉気な笑いを浮かべる大地。見たことのないその表情に、彩は言葉を失う。
「わかってたんだよ。」
「えっ?」
「彩の心の中には、俺じゃなくて誰だか知らない他の奴がいるって。」
「大地さん・・・。」
「焦ってたんだろうな、俺。卒業して時間がますます合わなくなるのも目に見えてたし。だからあの時、俺は勝負を掛けたんだ。君が頷いてくれた時は嬉しかった。俺はそいつに勝ったんだって、本当に嬉しかったんだ。」
「・・・。」
「だが、君は結局、心の中のそいつを振り切れなかった。土壇場で君に拒まれた時、俺は無力感で心を折られた。だから・・・君を追いかけられなかった。」
いつのまにか俯いている彩。何も言えず、大地の顔を見ることも出来ない。
「ズタズタの心のまま就職して、もう恋なんて絶対にするかなんて、結構マジで思い詰めて3年間、脇目も振らずに仕事に没頭してたら、あいつが、鯉沼麻美が俺の前に現れたんだ。」
「・・・。」