Far away ~いつまでも、君を・・・~
夏真っ盛りの花壇を彩っていたのは、向日葵だった。その鮮やかな黄色に、彩がしばし目を奪われている横で、尚輝はジョウロを手にする。
「今日は、ありがとうございました。」
「えっ?」
「来て下さって・・・本当に嬉しかったです。どうしてるのかなって、なんでOB・OG会来ないのかなって、ずっと思ってたから。」
「尚輝・・・。」
「今回久しぶりに会えるってわかって、楽しみだったけど、ちょっと心配もあった。もし向こうに行って、なんかあって、先輩が変わっちゃってたら、ちょっと嫌だなって。」
そう言って、チラリと彩を見た尚輝。
「でも・・・彩先輩はやっぱり彩先輩のままだった。俺が憧れてた頃の真っすぐでなにごとにもひたむきな先輩のまま。嬉しかったです。」
「そんなわけないじゃん。」
「えっ?」
「あれから何年経ったと思ってるのよ。もう私も20代半ば、いつまでもあの頃と同じでいられるわけがない。」
そう言い返した彩に
「確かに・・・全く変わらないなんてありえない。齢を取れば、誰だって変わる。良い意味でも悪い意味でも。自分のことはよくわからないけど、俺だってきっとそうでしょ。でも本質的な、一番大事なところは全然変わってない。そんなに長い時間話したわけじゃないけど、そのくらいはちゃんとわかります。これでも2年ちょっと、教師として何百人って生徒を見て来たんだから。」
尚輝は真っすぐに彼女を見ながら言った。
「さっきも言ったけど、そのあんたの思い込みというか、買い被り、結構重いし迷惑なんだけど。」
それに対して、やや困惑気味に言い返す彩。
「すみません、でも葉山が言ってましたよ。『廣瀬先輩をよく見ておけって、先生がおっしゃった意味がよくわかりました、私、選手としても女性としても、廣瀬先輩のようになりたいです。』って。」
「だから・・・それはあんたの過剰宣伝の補正効果だって。」
「俺は、葉山に先輩をよく見ておけって言っただけ。さっきの言葉は、彼女が自身で感じた素直な感想ですよ。」
「わかった。じゃぁ、葉山さんの言葉は、素直に受け取っとくよ。」
「そうして下さい。」
そう言って、顔を見合わせた次の瞬間、2人は吹き出していた。
「今日は、ありがとうございました。」
「えっ?」
「来て下さって・・・本当に嬉しかったです。どうしてるのかなって、なんでOB・OG会来ないのかなって、ずっと思ってたから。」
「尚輝・・・。」
「今回久しぶりに会えるってわかって、楽しみだったけど、ちょっと心配もあった。もし向こうに行って、なんかあって、先輩が変わっちゃってたら、ちょっと嫌だなって。」
そう言って、チラリと彩を見た尚輝。
「でも・・・彩先輩はやっぱり彩先輩のままだった。俺が憧れてた頃の真っすぐでなにごとにもひたむきな先輩のまま。嬉しかったです。」
「そんなわけないじゃん。」
「えっ?」
「あれから何年経ったと思ってるのよ。もう私も20代半ば、いつまでもあの頃と同じでいられるわけがない。」
そう言い返した彩に
「確かに・・・全く変わらないなんてありえない。齢を取れば、誰だって変わる。良い意味でも悪い意味でも。自分のことはよくわからないけど、俺だってきっとそうでしょ。でも本質的な、一番大事なところは全然変わってない。そんなに長い時間話したわけじゃないけど、そのくらいはちゃんとわかります。これでも2年ちょっと、教師として何百人って生徒を見て来たんだから。」
尚輝は真っすぐに彼女を見ながら言った。
「さっきも言ったけど、そのあんたの思い込みというか、買い被り、結構重いし迷惑なんだけど。」
それに対して、やや困惑気味に言い返す彩。
「すみません、でも葉山が言ってましたよ。『廣瀬先輩をよく見ておけって、先生がおっしゃった意味がよくわかりました、私、選手としても女性としても、廣瀬先輩のようになりたいです。』って。」
「だから・・・それはあんたの過剰宣伝の補正効果だって。」
「俺は、葉山に先輩をよく見ておけって言っただけ。さっきの言葉は、彼女が自身で感じた素直な感想ですよ。」
「わかった。じゃぁ、葉山さんの言葉は、素直に受け取っとくよ。」
「そうして下さい。」
そう言って、顔を見合わせた次の瞬間、2人は吹き出していた。