Far away ~いつまでも、君を・・・~
「彩、まさかとは思うけど、ひょっとしてまだ本郷先輩のこと、引き摺ってるの?」
「えっ?」
遥のその言葉に、驚きの表情を浮かべる彩。
「気付いてないと思ってた?」
「・・・。」
「彩が本郷先輩のこと、好きだったことくらい、昔からわかってたよ。だから、あれだけ彩にアタックし続けた二階くんの気持ちにも応えられなかったんでしょ?」
その遥の言葉に答えられずに、彩は下を向く。
「でも先輩には由理佳さんがいた。だから、その気持ちに一所懸命に蓋をして、誰にも気付かれないようにしてた。だから私も、ずっと知らん顔をしてきたんだよ。」
「そっか・・・バレてたのか・・・。」
ポツンと呟くような彩の声。
「先輩の恋人である由理佳さんのことが羨ましくて、そして憎くて、その気持ちを押し隠す為に、必死に由理佳さんを尊敬しているふりをしてたのもわかってたよ。」
「ちょっと待って。確かに由理佳さんのこと、羨ましかったけど、憎いなんて思ったことないよ。私、由理佳さんには可愛がってもらったし、同じ女子の弓道選手として、また主将として、目標にも参考にもさせてもらった。だから・・・。」
「わかった、それはいいよ。でも彩が本郷先輩が好きだったのは事実でしょ?」
「・・・。」
「告白したら?」
「えっ?」
「どうしても本郷先輩を諦められないんだったら、その気持ちに決着付けなきゃ、どうしようもないじゃん。余計な波風立てたくないから、由理佳さんに嫌われたくないから、良い子ぶって、我慢して、結果、未だにその思いを引き摺って、一歩も先に進めないんだとしたら、それはあまりにも無駄な時間を彩は過ごしてるよ。」
「・・・。」
「彩!」
遥が思わず、声を励ます。その顔をじっと見つめていた彩は
「ごめん、大丈夫だよ。」
「彩・・・。」
「斗真先輩のことは、ちゃんと私の中では決着が付いてる。だから、遥の言う通り、これからは積極的に恋、頑張ります!」
と言うと、笑って見せた。
翌日、朝食を共にしたあと、遥は帰って行った。
「今度は、彩がウチに遊びに来る番だから。待ってるよ。」
「ありがとう。また連絡するね。」
笑顔を残して、改札口を通って行く親友の後ろ姿を見送りながら
(自分の気持ちに決着を付ける、か・・・。)
彩は心の中で、そう呟いていた。
「えっ?」
遥のその言葉に、驚きの表情を浮かべる彩。
「気付いてないと思ってた?」
「・・・。」
「彩が本郷先輩のこと、好きだったことくらい、昔からわかってたよ。だから、あれだけ彩にアタックし続けた二階くんの気持ちにも応えられなかったんでしょ?」
その遥の言葉に答えられずに、彩は下を向く。
「でも先輩には由理佳さんがいた。だから、その気持ちに一所懸命に蓋をして、誰にも気付かれないようにしてた。だから私も、ずっと知らん顔をしてきたんだよ。」
「そっか・・・バレてたのか・・・。」
ポツンと呟くような彩の声。
「先輩の恋人である由理佳さんのことが羨ましくて、そして憎くて、その気持ちを押し隠す為に、必死に由理佳さんを尊敬しているふりをしてたのもわかってたよ。」
「ちょっと待って。確かに由理佳さんのこと、羨ましかったけど、憎いなんて思ったことないよ。私、由理佳さんには可愛がってもらったし、同じ女子の弓道選手として、また主将として、目標にも参考にもさせてもらった。だから・・・。」
「わかった、それはいいよ。でも彩が本郷先輩が好きだったのは事実でしょ?」
「・・・。」
「告白したら?」
「えっ?」
「どうしても本郷先輩を諦められないんだったら、その気持ちに決着付けなきゃ、どうしようもないじゃん。余計な波風立てたくないから、由理佳さんに嫌われたくないから、良い子ぶって、我慢して、結果、未だにその思いを引き摺って、一歩も先に進めないんだとしたら、それはあまりにも無駄な時間を彩は過ごしてるよ。」
「・・・。」
「彩!」
遥が思わず、声を励ます。その顔をじっと見つめていた彩は
「ごめん、大丈夫だよ。」
「彩・・・。」
「斗真先輩のことは、ちゃんと私の中では決着が付いてる。だから、遥の言う通り、これからは積極的に恋、頑張ります!」
と言うと、笑って見せた。
翌日、朝食を共にしたあと、遥は帰って行った。
「今度は、彩がウチに遊びに来る番だから。待ってるよ。」
「ありがとう。また連絡するね。」
笑顔を残して、改札口を通って行く親友の後ろ姿を見送りながら
(自分の気持ちに決着を付ける、か・・・。)
彩は心の中で、そう呟いていた。