Far away ~いつまでも、君を・・・~
翌日、不安を抱えながら、教室に入った尚輝は、何事もなかったかのように座っている千夏の顔を見て、ホッとしていた。前日
「私、明日から学校行けない。みんなにどんな顔して会えばいいの?」
自分の腕の中で、泣きじゃくりながら、そう訴える千夏に
「いつも通りにしてればいい。誰もお前を責めたり、笑ったりしない。そんなことをもし言う奴がいれば、俺がぶっ飛ばしてやる。だから、絶対に来るんだぞ。」
尚輝は言い聞かせるように言った。
「起立。」
尚輝の姿を見て、千夏はいつものように号令を掛ける。
「おはよう。」
いつもと同じように、尚輝は生徒たちに挨拶をした。その後、授業態度も普通だったし、休憩時間や昼休みも様子を見ている限り、千夏は普段通りに級友たちと笑い合っていた。
(取り越し苦労だったか。)
尚輝は内心、胸をなでおろしていた。
だが、放課後になり、尚輝が道場に入ると、千夏の姿がない。
「葉山は?」
「『ごめん、今日は休むから。』ってさっき・・・。」
気まずそうに副将の佐伯美奈が報告する。
「そうか・・・。よし、じゃ始めよう。」
表情を変えずに、部員たちに指示した尚輝だったが、責任感の強い千夏が、自分に直接申告もせず、部活を休んだことに驚いていた。
終わった後、千夏の自宅に連絡を入れてみると
「なんか体調が悪いと言って、学校から帰った後は自分の部屋で横になっています。」
電話に出た千夏の母親からそう告げられ
「わかりました。では無理をしないようにと、お伝えください。」
と言って電話を切った。真っすぐ家に帰っていたことには、とりあえず安心した。
次の日も普通に登校はして来たものの、部活には参加しない千夏。彼女とはクラス委員、部活主将として、普通の生徒よりは接触の機会が多いが、必要以上にまとわりついて来るタイプではない。が今は、明らかに自分を避けていると尚輝は感じていた。
あえて、何も言わず、様子を見ていた尚輝に
「葉山さん、私の授業は全然集中できてないよ。尚輝の授業は大丈夫?いつまでも放置しとくのは、よくないと思うよ。」
心配顔で京香が告げる。
「やっぱりそうか。」
頷いた尚輝が、その日も部活をスル-して帰宅しようとする千夏を呼び止めたのは、大会が終わってから、4日が過ぎていた。
「私、明日から学校行けない。みんなにどんな顔して会えばいいの?」
自分の腕の中で、泣きじゃくりながら、そう訴える千夏に
「いつも通りにしてればいい。誰もお前を責めたり、笑ったりしない。そんなことをもし言う奴がいれば、俺がぶっ飛ばしてやる。だから、絶対に来るんだぞ。」
尚輝は言い聞かせるように言った。
「起立。」
尚輝の姿を見て、千夏はいつものように号令を掛ける。
「おはよう。」
いつもと同じように、尚輝は生徒たちに挨拶をした。その後、授業態度も普通だったし、休憩時間や昼休みも様子を見ている限り、千夏は普段通りに級友たちと笑い合っていた。
(取り越し苦労だったか。)
尚輝は内心、胸をなでおろしていた。
だが、放課後になり、尚輝が道場に入ると、千夏の姿がない。
「葉山は?」
「『ごめん、今日は休むから。』ってさっき・・・。」
気まずそうに副将の佐伯美奈が報告する。
「そうか・・・。よし、じゃ始めよう。」
表情を変えずに、部員たちに指示した尚輝だったが、責任感の強い千夏が、自分に直接申告もせず、部活を休んだことに驚いていた。
終わった後、千夏の自宅に連絡を入れてみると
「なんか体調が悪いと言って、学校から帰った後は自分の部屋で横になっています。」
電話に出た千夏の母親からそう告げられ
「わかりました。では無理をしないようにと、お伝えください。」
と言って電話を切った。真っすぐ家に帰っていたことには、とりあえず安心した。
次の日も普通に登校はして来たものの、部活には参加しない千夏。彼女とはクラス委員、部活主将として、普通の生徒よりは接触の機会が多いが、必要以上にまとわりついて来るタイプではない。が今は、明らかに自分を避けていると尚輝は感じていた。
あえて、何も言わず、様子を見ていた尚輝に
「葉山さん、私の授業は全然集中できてないよ。尚輝の授業は大丈夫?いつまでも放置しとくのは、よくないと思うよ。」
心配顔で京香が告げる。
「やっぱりそうか。」
頷いた尚輝が、その日も部活をスル-して帰宅しようとする千夏を呼び止めたのは、大会が終わってから、4日が過ぎていた。