Far away ~いつまでも、君を・・・~
⑫
翌日、千夏は学校を休んだ。次の日は登校して来たものの、尚輝を露骨に避ける様子を見せ、部活にも参加しなかった。更に期末考査の結果が出て、これまで学年でも上位の位置にあった千夏の成績が、大幅にダウンしてしまったことがわかった。
「葉山さんは、先日の大会での成績不振を相当引き摺ってしまっているようだね。」
その日の朝の学年別教職員朝礼で、深刻な表情をした学年主任から、声を掛けられて
「申し訳ありません。」
尚輝は頭を下げる。
「しっかりしているようでも、まだ高校生だ。傷付き易く、脆い面を持っていて当たり前だよ。」
「はい。」
「こういう時こそ、クラス担任であり、部活顧問でもある君がしっかり、フォロ-してあげないと。」
「わかりました。」
千夏に避けられているのは間違いないが、このままでいいはずがない。学年主任の言葉に、頷いた尚輝が、千夏を面談室に呼び出したのは、その日の昼休みのことだった。俯き加減に入って来た彼女に、尚輝は柔らかな表情で、席につくように告げた。
「葉山。」
「・・・。」
「すまん。」
尚輝に謝られて、千夏は少し驚いたように顔を上げた。
「どうやら俺は知らず知らずの間に、お前を追い詰めてしまっていたようだ。」
「先生・・・。」
「県大会の好成績に、周囲が騒ぐのを、俺は快く思っていなかった。そんな甘いもんじゃない、俺はそう思っていたし、お前自身にもそう言ってきたつもりだ。」
「・・・。」
「だがいつのまにか、そんな俺自身がお前ならやれる、きっとやってくれるはずだって、そんな気持ちに流されてしまっていた。葉山にとっては、きつい状況だったよな。」
「・・・。」
「葉山さんは、先日の大会での成績不振を相当引き摺ってしまっているようだね。」
その日の朝の学年別教職員朝礼で、深刻な表情をした学年主任から、声を掛けられて
「申し訳ありません。」
尚輝は頭を下げる。
「しっかりしているようでも、まだ高校生だ。傷付き易く、脆い面を持っていて当たり前だよ。」
「はい。」
「こういう時こそ、クラス担任であり、部活顧問でもある君がしっかり、フォロ-してあげないと。」
「わかりました。」
千夏に避けられているのは間違いないが、このままでいいはずがない。学年主任の言葉に、頷いた尚輝が、千夏を面談室に呼び出したのは、その日の昼休みのことだった。俯き加減に入って来た彼女に、尚輝は柔らかな表情で、席につくように告げた。
「葉山。」
「・・・。」
「すまん。」
尚輝に謝られて、千夏は少し驚いたように顔を上げた。
「どうやら俺は知らず知らずの間に、お前を追い詰めてしまっていたようだ。」
「先生・・・。」
「県大会の好成績に、周囲が騒ぐのを、俺は快く思っていなかった。そんな甘いもんじゃない、俺はそう思っていたし、お前自身にもそう言ってきたつもりだ。」
「・・・。」
「だがいつのまにか、そんな俺自身がお前ならやれる、きっとやってくれるはずだって、そんな気持ちに流されてしまっていた。葉山にとっては、きつい状況だったよな。」
「・・・。」