Far away ~いつまでも、君を・・・~
「千夏ちゃん、今日はありがとうね。」
彩は表情を改めた。
「去年のOB・OG会で、少し話したことあるだけの私の誘いに付き合ってくれて、嬉しかった。」
「いいえ、私の方こそ・・・ありがとうございました。さっき彩さんがおっしゃった通り、ずっと弓が引きたかったから・・・。」
そう言いながら、少し寂しそうな表情を浮かべる千夏。
「退部届、出したんだって?」
彩が尋ねると、千夏は小さく頷いた。
「さっきも言った通り、私の弓道部入部動機は不純そのもの。それが気が付いたら、主将になってて、大学入っても弓道続けて、最近は仕事忙しくて、すっかりご無沙汰になっちゃってるけど、就職する時は近くに弓道場があるとこなんて条件で住むとこ探してた。」
「・・・。」
「8年前に卒業してからは、忙しさにかまけて、OB・OG会にもずっと顔を出してなかった不真面目なOG。でも母校の弓道部のことは、ずっと気になってた。まして後輩の尚輝が顧問になってからは余計に。」
「彩さん・・・。」
その言葉に、千夏はハッとした表情を浮かべる。
「私、なんで弓道部辞めなかったのかな?それどころか、なんで今に至るまで、弓道とつながってたいのかなって、最近改めて考えたんだ。そしたら、答えは単純だった、弓道が好きになったから、弓道の魅力に取りつかれちゃったからだよなって。だから最初の目的がダメになっても、弓道を続けて来たんだって。」
「・・・。」
「まして、尚輝に至っては自分の仕事の一部にまでしちゃったんだから。凄い話だよね。」
そう言って彩は笑ったが、すぐに表情を引き締めると
「千夏ちゃんは?」
「えっ?」
「千夏ちゃんは、今でも弓道が好き?」
そう言って、真っすぐに千夏を見る。
「・・・はい。」
一瞬、躊躇ったが、千夏ははっきりとした声で答える。
「そっか。そんなに好きな弓道を捨てたくなるくらい辛かったんだね、尚輝の顔を見るの・・・。」
そう言って、優しい表情を千夏に向ける彩。
「わかってるんです。私が勝手に先生を好きになって、勝手に失恋して・・・。先生はなんにも悪くないんです。でも・・・。」
そこまで言いかけて、千夏はまた俯いてしまった。
彩は表情を改めた。
「去年のOB・OG会で、少し話したことあるだけの私の誘いに付き合ってくれて、嬉しかった。」
「いいえ、私の方こそ・・・ありがとうございました。さっき彩さんがおっしゃった通り、ずっと弓が引きたかったから・・・。」
そう言いながら、少し寂しそうな表情を浮かべる千夏。
「退部届、出したんだって?」
彩が尋ねると、千夏は小さく頷いた。
「さっきも言った通り、私の弓道部入部動機は不純そのもの。それが気が付いたら、主将になってて、大学入っても弓道続けて、最近は仕事忙しくて、すっかりご無沙汰になっちゃってるけど、就職する時は近くに弓道場があるとこなんて条件で住むとこ探してた。」
「・・・。」
「8年前に卒業してからは、忙しさにかまけて、OB・OG会にもずっと顔を出してなかった不真面目なOG。でも母校の弓道部のことは、ずっと気になってた。まして後輩の尚輝が顧問になってからは余計に。」
「彩さん・・・。」
その言葉に、千夏はハッとした表情を浮かべる。
「私、なんで弓道部辞めなかったのかな?それどころか、なんで今に至るまで、弓道とつながってたいのかなって、最近改めて考えたんだ。そしたら、答えは単純だった、弓道が好きになったから、弓道の魅力に取りつかれちゃったからだよなって。だから最初の目的がダメになっても、弓道を続けて来たんだって。」
「・・・。」
「まして、尚輝に至っては自分の仕事の一部にまでしちゃったんだから。凄い話だよね。」
そう言って彩は笑ったが、すぐに表情を引き締めると
「千夏ちゃんは?」
「えっ?」
「千夏ちゃんは、今でも弓道が好き?」
そう言って、真っすぐに千夏を見る。
「・・・はい。」
一瞬、躊躇ったが、千夏ははっきりとした声で答える。
「そっか。そんなに好きな弓道を捨てたくなるくらい辛かったんだね、尚輝の顔を見るの・・・。」
そう言って、優しい表情を千夏に向ける彩。
「わかってるんです。私が勝手に先生を好きになって、勝手に失恋して・・・。先生はなんにも悪くないんです。でも・・・。」
そこまで言いかけて、千夏はまた俯いてしまった。