Far away ~いつまでも、君を・・・~
大地と麻美の結婚式のプランナーとしての、彩の最後の仕事は、彼らを見送ること。
このあと、このホテルのレストランで、二次会が行なわれるが、それはもはや、彩の関わることではない。また、遥の時のように、それに参加する予定もない。
二次会から参加する人にも、ドレス姿を見せたいと、そのままウェディングドレスを着用する新婦も少なくないが、麻美に呼ばれ、彩が控室に入ると、二次会は気軽に楽しみたいからと、彼女は既にワンピースに着替えていた。
「鯉沼様、お疲れ様でした。」
そう言って、頭を下げた彩に
「お陰様で、無事に終わりました。ありがとうございました。」
と答えた後
「そんなバカ丁寧な言葉遣いじゃなくてもいいですよ。それに私、もう鯉沼じゃないんで。」
麻美は笑う。
「いえ、おふたりをお見送りするまでは、まだ私の仕事は終わったわけではありませんし、まして、おふたりが私と当ホテルにとって、これからも大切なお客様であることには変わりませんから。」
「でも今はいいじゃないですか。私は今、プランナーとしての廣瀬さんとお話ししてるつもりはありませんから。」
その麻美の言葉に、彩は驚いたように、彼女を見た。
「廣瀬さん。今まで、私のワガママに付き合わせて・・・ごめんなさい。」
「麻美さん・・・。」
思わぬ言葉を言われて、彩は初めて、麻美を名前で呼んでしまう。
「いろいろ思うことがありましたよね?」
「それは・・・正直に言えば、今日もひょっとしたら、新郎様の横にいたのは私だったかもって、全く思わなかったかって言えば、それは嘘になります。でも、今日のおふたりはとってもお似合いで、とってもお幸せそうで・・・私は、そのおふたりの門出を祝う為のお手伝いが出来た。それは素直に喜んでいます。」
「私が、大地の元カノであるあなたに見せつける為に、ここで式を挙げることを選んだとしてもですか?」
「えっ?」
「私に、そういう底意地の悪い気持ちが全くなかったと廣瀬さんは思ってたんですか?」
そう言って、麻美はまっすぐに彩を見た。
このあと、このホテルのレストランで、二次会が行なわれるが、それはもはや、彩の関わることではない。また、遥の時のように、それに参加する予定もない。
二次会から参加する人にも、ドレス姿を見せたいと、そのままウェディングドレスを着用する新婦も少なくないが、麻美に呼ばれ、彩が控室に入ると、二次会は気軽に楽しみたいからと、彼女は既にワンピースに着替えていた。
「鯉沼様、お疲れ様でした。」
そう言って、頭を下げた彩に
「お陰様で、無事に終わりました。ありがとうございました。」
と答えた後
「そんなバカ丁寧な言葉遣いじゃなくてもいいですよ。それに私、もう鯉沼じゃないんで。」
麻美は笑う。
「いえ、おふたりをお見送りするまでは、まだ私の仕事は終わったわけではありませんし、まして、おふたりが私と当ホテルにとって、これからも大切なお客様であることには変わりませんから。」
「でも今はいいじゃないですか。私は今、プランナーとしての廣瀬さんとお話ししてるつもりはありませんから。」
その麻美の言葉に、彩は驚いたように、彼女を見た。
「廣瀬さん。今まで、私のワガママに付き合わせて・・・ごめんなさい。」
「麻美さん・・・。」
思わぬ言葉を言われて、彩は初めて、麻美を名前で呼んでしまう。
「いろいろ思うことがありましたよね?」
「それは・・・正直に言えば、今日もひょっとしたら、新郎様の横にいたのは私だったかもって、全く思わなかったかって言えば、それは嘘になります。でも、今日のおふたりはとってもお似合いで、とってもお幸せそうで・・・私は、そのおふたりの門出を祝う為のお手伝いが出来た。それは素直に喜んでいます。」
「私が、大地の元カノであるあなたに見せつける為に、ここで式を挙げることを選んだとしてもですか?」
「えっ?」
「私に、そういう底意地の悪い気持ちが全くなかったと廣瀬さんは思ってたんですか?」
そう言って、麻美はまっすぐに彩を見た。