Far away ~いつまでも、君を・・・~
「今回の件をお引き受けする前に、瀬戸さんとお話しさせていただきました。」
「知ってます。」
「その時、麻美さんがウチのホテルとプランナーの私を気に入ってくださってるってお聞きしました。」
「・・・。」
「そして、瀬戸さんはおっしゃいました。『俺は麻美に救われた。彼女が望むことなら、出来る限り、なんでもしてやりたい。』って。その言葉をお聞きした時、私は瀬戸さんのその思いにお応えしたいって思ったんです。」
そう言うと、彩は、柔らかな笑みを浮かべる。
「私は麻美さんに感謝してます。」
「感謝・・・?」
彩の口にした意外な言葉を、麻美は繰り返すように口にする。
「あなたのお陰で、私は瀬戸さんにせめてもの償いをさせてもらうチャンスをいただけた。そして、この半年あまり、お2人のお式のお手伝いをさせていただいて、お2人の本当にお幸せそうなお姿を、目のあたりに出来た。瀬戸さんは、ご自分にふさわしいパートナ-に巡り会えたんだなと、心から嬉しくて。そして、正直ホッとしたんです。」
そう言葉を紡いだ彩を、じっと見つめていた麻美はやがて
「敵わないな、あなたには・・・。」
ポツンと呟くように言うと、自嘲気味の笑みを浮かべる。
「麻美さん・・・。」
「私、あなたにすごく興味があった。私が好きで好きで、こんなに愛している大地を振った人って、どんな人なんだろって。ううん、どれほどの女なのって。」
「・・・。」
「でも、今思うことは、廣瀬さんが大地を振ってくれてよかったって。そうじゃなきゃ、きっと彼は私に振り向いてもくれてないはずだからって。」
「そ、そんなこと・・・。」
思いもよらない言葉に、慌てて首を振る彩に
「だから、もちろんプランナ-として、私たちの為に尽力して下さったことも含めて、私の方こそ、素直に廣瀬さんに感謝してます。本当にありがとうございました。」
と頭を下げた麻美は
「私は大地と幸せになります。だから・・・廣瀬さんも幸せになって下さいね。」
笑顔でそう言う。
なんと返事をしていいのか、戸惑う彩に
「彩さんは優等生ですよね。」
麻美は更に一言。
「えっ?」
「いつも人のことを考えて、自分が我慢して・・・欲しいものを欲しいって素直に言えない・・・そんな風に見えるんですけど、違います?」
「麻美さん・・・。」
「ごめんなさい、年下が生意気なこと言って。でもそろそろそんないい子は卒業して、自分の気持ちを素直に周りに表しても、いいんじゃないんですか?」
そう言って微笑む麻美の顔を見ながら、彩の思いは複雑だった。
「知ってます。」
「その時、麻美さんがウチのホテルとプランナーの私を気に入ってくださってるってお聞きしました。」
「・・・。」
「そして、瀬戸さんはおっしゃいました。『俺は麻美に救われた。彼女が望むことなら、出来る限り、なんでもしてやりたい。』って。その言葉をお聞きした時、私は瀬戸さんのその思いにお応えしたいって思ったんです。」
そう言うと、彩は、柔らかな笑みを浮かべる。
「私は麻美さんに感謝してます。」
「感謝・・・?」
彩の口にした意外な言葉を、麻美は繰り返すように口にする。
「あなたのお陰で、私は瀬戸さんにせめてもの償いをさせてもらうチャンスをいただけた。そして、この半年あまり、お2人のお式のお手伝いをさせていただいて、お2人の本当にお幸せそうなお姿を、目のあたりに出来た。瀬戸さんは、ご自分にふさわしいパートナ-に巡り会えたんだなと、心から嬉しくて。そして、正直ホッとしたんです。」
そう言葉を紡いだ彩を、じっと見つめていた麻美はやがて
「敵わないな、あなたには・・・。」
ポツンと呟くように言うと、自嘲気味の笑みを浮かべる。
「麻美さん・・・。」
「私、あなたにすごく興味があった。私が好きで好きで、こんなに愛している大地を振った人って、どんな人なんだろって。ううん、どれほどの女なのって。」
「・・・。」
「でも、今思うことは、廣瀬さんが大地を振ってくれてよかったって。そうじゃなきゃ、きっと彼は私に振り向いてもくれてないはずだからって。」
「そ、そんなこと・・・。」
思いもよらない言葉に、慌てて首を振る彩に
「だから、もちろんプランナ-として、私たちの為に尽力して下さったことも含めて、私の方こそ、素直に廣瀬さんに感謝してます。本当にありがとうございました。」
と頭を下げた麻美は
「私は大地と幸せになります。だから・・・廣瀬さんも幸せになって下さいね。」
笑顔でそう言う。
なんと返事をしていいのか、戸惑う彩に
「彩さんは優等生ですよね。」
麻美は更に一言。
「えっ?」
「いつも人のことを考えて、自分が我慢して・・・欲しいものを欲しいって素直に言えない・・・そんな風に見えるんですけど、違います?」
「麻美さん・・・。」
「ごめんなさい、年下が生意気なこと言って。でもそろそろそんないい子は卒業して、自分の気持ちを素直に周りに表しても、いいんじゃないんですか?」
そう言って微笑む麻美の顔を見ながら、彩の思いは複雑だった。