Far away ~いつまでも、君を・・・~
麻美と大地を二次会へと送り出した後、だいぶ遅い昼食を、大急ぎで摂り、そして夕方からの挙式予定者との打ち合わせをこなし、事務所に戻って、今日の式の反省会と報告書の作成、そして夕方の打ち合わせの記録作成・・・。いつものように慌ただしく、プランナ-彩の時間は過ぎて行く。
1月も今日で終わり。年が明けてから、あっという間に一ヶ月が経とうとしている。2月に入ると、閑散期は底を打ち、今日のような慌ただしい週末が徐々に戻って来る。
(そしたら、あっという間に春だな・・・。)
そんなことを考えながら、明日から始まる新たな週のスケジュ-ルを確認した彩は、席を立った。オフィスを出、更衣室で着替えをしながら、彩はずっと、麻美に言われた言葉のことを考えていた。
(私は優等生なんかじゃない。自分のことが誰よりも可愛くて、傷付きたくなくて、ただそれだけ。そうやって26年間生きて来たんだよ。そして多分これからも・・・。)
退勤スキャンをし、ウェディングプランナ-から1人の女性に戻った彩は、通用口を出た。時刻は既に21時を過ぎ、麻美たちの二次会も既にお開きになっているはずだ。
前年秋の遥の式と、今日の式は、彩にとっても、やはり特別なものだった。それが無事に終わったことで、なにか1つの区切りが付いたような思いを、彩は抱いていた。
(大地さん、麻美さん、今日は本当におめでとうございます。いつまでも末永くお幸せに。)
明日の新婚旅行に備えて、今日はこのホテルに宿泊する大地と麻美。今頃、ようやく訪れた2人きりの時間を、寄り添って過ごしているはずの彼らの部屋の方を見上げながら、彩は心の中で呟いた。
(さぁ、帰ろう。)
今日もお夕飯はコンビニだな、急にそんな現実的なことを考えながら、歩き出した彩に
「お疲れ様、彩。」
と声が掛かる。
「由理佳さん。」
声がした方を見た彩の目に飛びこんで来たのは、カジュアルな服装を綺麗に、そして可愛く着こなした先輩の姿だった。
「帰りはこんな時間になるんだね。大変だね。」
「慣れちゃいましたけどね。どうでした、二次会?」
「うん、賑やかだったよ。遥の時と同じ会場だったから、お料理もおいしかったし。」
そう言って由理佳は微笑む。
1月も今日で終わり。年が明けてから、あっという間に一ヶ月が経とうとしている。2月に入ると、閑散期は底を打ち、今日のような慌ただしい週末が徐々に戻って来る。
(そしたら、あっという間に春だな・・・。)
そんなことを考えながら、明日から始まる新たな週のスケジュ-ルを確認した彩は、席を立った。オフィスを出、更衣室で着替えをしながら、彩はずっと、麻美に言われた言葉のことを考えていた。
(私は優等生なんかじゃない。自分のことが誰よりも可愛くて、傷付きたくなくて、ただそれだけ。そうやって26年間生きて来たんだよ。そして多分これからも・・・。)
退勤スキャンをし、ウェディングプランナ-から1人の女性に戻った彩は、通用口を出た。時刻は既に21時を過ぎ、麻美たちの二次会も既にお開きになっているはずだ。
前年秋の遥の式と、今日の式は、彩にとっても、やはり特別なものだった。それが無事に終わったことで、なにか1つの区切りが付いたような思いを、彩は抱いていた。
(大地さん、麻美さん、今日は本当におめでとうございます。いつまでも末永くお幸せに。)
明日の新婚旅行に備えて、今日はこのホテルに宿泊する大地と麻美。今頃、ようやく訪れた2人きりの時間を、寄り添って過ごしているはずの彼らの部屋の方を見上げながら、彩は心の中で呟いた。
(さぁ、帰ろう。)
今日もお夕飯はコンビニだな、急にそんな現実的なことを考えながら、歩き出した彩に
「お疲れ様、彩。」
と声が掛かる。
「由理佳さん。」
声がした方を見た彩の目に飛びこんで来たのは、カジュアルな服装を綺麗に、そして可愛く着こなした先輩の姿だった。
「帰りはこんな時間になるんだね。大変だね。」
「慣れちゃいましたけどね。どうでした、二次会?」
「うん、賑やかだったよ。遥の時と同じ会場だったから、お料理もおいしかったし。」
そう言って由理佳は微笑む。