Far away ~いつまでも、君を・・・~
通常授業が始まった。3年生は今までのクラス単位での授業に加え、選択科目別の合同授業も始まり、他学年とは違った雰囲気に包まれる。
否が応でも、進路、受験というものを意識せざるを得ない日々。
一方で、彼らの多くは最高学年として各部活の主力であり、その活動の集大成を迎える準備にも余念がない。
尚輝が顧問を務める弓道部では、精神的にひと回り成長した主将の千夏が、先の春の地区大会で、個人戦3位入賞を果たした。
これは颯天高では彩以来の快挙であり、秋の不調を払拭した千夏は、インハイ予選での注目選手に返り咲いた形になっていた。
更に千夏に引っ張られるのように、副将佐伯美奈も急成長を見せ、女子チームは活気に満ちていた。
「先生。」
「うん?」
「私、今のうちから宣言しちゃってもいいですか?」
ある日の練習の最中、尚輝のもとにツカツカと歩み寄って来た千夏が、こんなことを言い出した。
「何をだ?」
当然、そう聞き返す尚輝。
「私、今度のインハイ予選。個人優勝を狙います。」
「えっ?」
「彩さんを・・・必ず超えてみせます。」
「葉山・・・。」
突然、凄いことを言い出した千夏の顔をやや呆然としながら見つめてしまう尚輝。
「私、秋はプレッシャーに負けちゃったけど、今度は逆に自分にプレッシャー掛けまくって、それに負けないように猛練習して、悔いのないように、そしてインハイに出て、夏休みまで現役続けられるようにします。」
自分の顔を真っ直ぐ見て、そう言い切った千夏。そしてニッコリと微笑んだ千夏が、尚輝には眩しかった。
「よし、わかった。お前がその気なら、俺も容赦しない。情け無用で厳しくやるぞ。いいな。」
「望むところです、よろしくお願いします。」
尚輝の言葉に、怯むことなく頷く千夏。その表情からは、彼女の並々ならぬ決意がひしひしと伝わって来る。
(彩先輩。先輩のお陰で、葉山はこんなに逞しくなりました。ありがとうございました。だから俺も今まで以上に、葉山を全力でサポートします。是非見ていて下さい。)
練習に戻って行く千夏を目で追いながら、尚輝もまた、決意を新たにしていた。
否が応でも、進路、受験というものを意識せざるを得ない日々。
一方で、彼らの多くは最高学年として各部活の主力であり、その活動の集大成を迎える準備にも余念がない。
尚輝が顧問を務める弓道部では、精神的にひと回り成長した主将の千夏が、先の春の地区大会で、個人戦3位入賞を果たした。
これは颯天高では彩以来の快挙であり、秋の不調を払拭した千夏は、インハイ予選での注目選手に返り咲いた形になっていた。
更に千夏に引っ張られるのように、副将佐伯美奈も急成長を見せ、女子チームは活気に満ちていた。
「先生。」
「うん?」
「私、今のうちから宣言しちゃってもいいですか?」
ある日の練習の最中、尚輝のもとにツカツカと歩み寄って来た千夏が、こんなことを言い出した。
「何をだ?」
当然、そう聞き返す尚輝。
「私、今度のインハイ予選。個人優勝を狙います。」
「えっ?」
「彩さんを・・・必ず超えてみせます。」
「葉山・・・。」
突然、凄いことを言い出した千夏の顔をやや呆然としながら見つめてしまう尚輝。
「私、秋はプレッシャーに負けちゃったけど、今度は逆に自分にプレッシャー掛けまくって、それに負けないように猛練習して、悔いのないように、そしてインハイに出て、夏休みまで現役続けられるようにします。」
自分の顔を真っ直ぐ見て、そう言い切った千夏。そしてニッコリと微笑んだ千夏が、尚輝には眩しかった。
「よし、わかった。お前がその気なら、俺も容赦しない。情け無用で厳しくやるぞ。いいな。」
「望むところです、よろしくお願いします。」
尚輝の言葉に、怯むことなく頷く千夏。その表情からは、彼女の並々ならぬ決意がひしひしと伝わって来る。
(彩先輩。先輩のお陰で、葉山はこんなに逞しくなりました。ありがとうございました。だから俺も今まで以上に、葉山を全力でサポートします。是非見ていて下さい。)
練習に戻って行く千夏を目で追いながら、尚輝もまた、決意を新たにしていた。