Far away ~いつまでも、君を・・・~
こうしてスタ-トした新たな体制。一気に3人の先輩が抜けた穴はあまりに大きく、日々の業務のハードさは、彩の覚悟を超えていた。
フリーに転身した先輩は、在職中に担当していたお客様については、引き続きプランナーを務めることになったが、当然のことながら、もう必要に応じてしか、姿を現さない。
なんとかフォローを、と言っていた優里も、いざ異動してしまえば、そんな余裕はなかなかありはしない。
「優里の異動が余計だったのよねぇ。」
その日の勤務が終わり、彩は帰りが一緒になったブライダル課長と駅に向かって歩いていた。
「3月いっぱいで退職者が出ることは、かなり前から人事部に伝えてあったし、補充異動も向こうの状況を聞くと仕方ないかなと思うんだけど、優里まで抜かれるなんてね。困るって、抵抗はしたんだけど、なんか本体の方の事情で、もう再考の余地がないとか言われて・・・新米課長の力じゃどうにもならなかったんだ。」
そう言って課長はため息をついた。
「課長に現場出ていただいて、申し訳なく思ってますけど、でもそうじゃないとまわっていかないんで・・・。」
「個人的には、現場に出られるのはむしろ嬉しいんだけど、ただでさえ、まだ不慣れな課長業務が滞っちゃって、みんなに迷惑掛けちゃってるのが、本当に申し訳ないよ。」
前年秋にチーフプランナーから昇格したばかりの課長の言葉に、彩は首を大きく横に振った。
「とにかく、このままじゃどうしようもないのははっきりしたんで、人員補充の要望は出したけど、どこも余裕なんかないし、どうなることやら。」
「そうですね。」
「人事部が言うには、今度来る新人は期待の星らしくて、大事に育ててくれれば、大きな戦力になるはずだって言われてるんだけどね。もちろんそのつもりではいるけど、でも即戦力ってわけには、当然いかないから。しばらくは厳しい状況だけど、頑張って乗り切って行こう。」
「はい。」
(期待の星なんだ・・・私もしっかりしないと。)
課長の言葉に頷きながら、新人の教育係に内定している彩は、ややプレッシャ-を感じていた。
フリーに転身した先輩は、在職中に担当していたお客様については、引き続きプランナーを務めることになったが、当然のことながら、もう必要に応じてしか、姿を現さない。
なんとかフォローを、と言っていた優里も、いざ異動してしまえば、そんな余裕はなかなかありはしない。
「優里の異動が余計だったのよねぇ。」
その日の勤務が終わり、彩は帰りが一緒になったブライダル課長と駅に向かって歩いていた。
「3月いっぱいで退職者が出ることは、かなり前から人事部に伝えてあったし、補充異動も向こうの状況を聞くと仕方ないかなと思うんだけど、優里まで抜かれるなんてね。困るって、抵抗はしたんだけど、なんか本体の方の事情で、もう再考の余地がないとか言われて・・・新米課長の力じゃどうにもならなかったんだ。」
そう言って課長はため息をついた。
「課長に現場出ていただいて、申し訳なく思ってますけど、でもそうじゃないとまわっていかないんで・・・。」
「個人的には、現場に出られるのはむしろ嬉しいんだけど、ただでさえ、まだ不慣れな課長業務が滞っちゃって、みんなに迷惑掛けちゃってるのが、本当に申し訳ないよ。」
前年秋にチーフプランナーから昇格したばかりの課長の言葉に、彩は首を大きく横に振った。
「とにかく、このままじゃどうしようもないのははっきりしたんで、人員補充の要望は出したけど、どこも余裕なんかないし、どうなることやら。」
「そうですね。」
「人事部が言うには、今度来る新人は期待の星らしくて、大事に育ててくれれば、大きな戦力になるはずだって言われてるんだけどね。もちろんそのつもりではいるけど、でも即戦力ってわけには、当然いかないから。しばらくは厳しい状況だけど、頑張って乗り切って行こう。」
「はい。」
(期待の星なんだ・・・私もしっかりしないと。)
課長の言葉に頷きながら、新人の教育係に内定している彩は、ややプレッシャ-を感じていた。