Far away ~いつまでも、君を・・・~
第一章
①
それは、突然の出来事だった。
その日の授業を終え、友人と教室を出た廣瀬彩の前に、人影が立ちはだかった。はっとして見ると、1人の見知らぬ男子の姿が。何事だろうとやや固まった彩に
「廣瀬先輩!」
少年が大きな声で呼び掛けて来た。
「は、はい。」
その声に、ややたじろぎながら、彩が返事をすると
「俺、先輩のことが好きになりました。付き合って下さい!」
やはり元気のいい声で、そう言った少年は、深々と頭を下げた。
一瞬訪れる静寂。彩はもちろん、周囲にいた面々も、この降って湧いたような告白劇を、唖然とした表情で見つめている。
周囲の注目の中、やがて頭を上げ、真っすぐに彩を見る少年。そして、周囲の視線は当然、今度は彩に集まる。
「ごめん。私、君のこと、名前も何も知らないし・・・だから突然そんなこと言われても、ちょっと無理。」
彩の口から出た返事は、至極真っ当なものだった。ある意味、当然の成り行きに、周囲の視線はまた少年に。彩の返事を聞き、一瞬表情をゆがめた少年は
「わかりました、失礼しました!」
すぐにまた頭を下げると、踵を返し、足早に去って行った。
「なんなの?あれ・・・。」
隣にいた香田遥が、そうポツンとつぶやいたのに
「さぁ・・・?」
あまりに突然の出来事に、彩はそう返すのがやっとだった。
その日の授業を終え、友人と教室を出た廣瀬彩の前に、人影が立ちはだかった。はっとして見ると、1人の見知らぬ男子の姿が。何事だろうとやや固まった彩に
「廣瀬先輩!」
少年が大きな声で呼び掛けて来た。
「は、はい。」
その声に、ややたじろぎながら、彩が返事をすると
「俺、先輩のことが好きになりました。付き合って下さい!」
やはり元気のいい声で、そう言った少年は、深々と頭を下げた。
一瞬訪れる静寂。彩はもちろん、周囲にいた面々も、この降って湧いたような告白劇を、唖然とした表情で見つめている。
周囲の注目の中、やがて頭を上げ、真っすぐに彩を見る少年。そして、周囲の視線は当然、今度は彩に集まる。
「ごめん。私、君のこと、名前も何も知らないし・・・だから突然そんなこと言われても、ちょっと無理。」
彩の口から出た返事は、至極真っ当なものだった。ある意味、当然の成り行きに、周囲の視線はまた少年に。彩の返事を聞き、一瞬表情をゆがめた少年は
「わかりました、失礼しました!」
すぐにまた頭を下げると、踵を返し、足早に去って行った。
「なんなの?あれ・・・。」
隣にいた香田遥が、そうポツンとつぶやいたのに
「さぁ・・・?」
あまりに突然の出来事に、彩はそう返すのがやっとだった。