Far away ~いつまでも、君を・・・~
今年の始め、由理佳がベイサイドシティに式場見学に来た。友人の付き添いとしてだったが
「私も完全な冷やかしじゃないから。」
そう言って笑っていた。当たり前だが、由理佳も斗真との未来に思いを馳せていたのだ。
その恋人との辛い別れ。由理佳だって、誰かにいろんなことを吐き出したいだろう。その相手に、以前ある程度、事情を話し、また2人の関係を昔から知っている自分が選ばれたのは、自然な流れだと彩は思う。
間違いなく、明るい雰囲気になり得ない席。場所の選択に苦慮したが、以前、優里と何回か行って、仕事の愚痴をこぼし合ったこともある、イタリアン居酒屋の個室が空いていた。
「彩、突然ごめんね。」
「大丈夫です。ご存じの通り、私ならいつでも、いくらでも融通ききますから。」
案内され、席についた途端、申し訳なさそうにそう言ってきた先輩をなごまそうと、少しおどけながら彩は答えたが
「いきなり呼び出された挙句、こんな話を聞かされて迷惑だろうけど・・・。」
お構いなしに話を続ける由理佳に
(スル-されちゃった・・・。)
やや気まずさを感じながら、彩は容を改める。
「斗真とさ・・・しばらく距離を置くことにしたんだ。」
神妙な表情でそう切り出した由理佳。
(あれ?昨日の斗真先輩の話とちょっとニュアンスが違う・・・。)
内心戸惑いながら
「由理佳さん、ごめんなさい。私、実は昨日、偶然に斗真先輩にお会いしたんです。それで・・・先輩から立ち話でしたけど、お話伺いました。」
彩は答える。
「えっ、そうだったんだ・・・。」
目を丸くした由理佳だが
「それなら話は早いな。」
そう言うと、チラッと笑みをこぼした。
それからサワ-を飲み、ピザやパスタをつつきながら、由理佳は語りだした。
「彼ね、かなり優秀な証券マンらしいんだ。証券マンは基本的にはサラリ-マンだけど、能力や成果によって、報酬が全然違う職業だから。実際、ボーナスの金額なんか聞いても、ビックリするくらいもらってるからね。」
「・・・。」
「私も完全な冷やかしじゃないから。」
そう言って笑っていた。当たり前だが、由理佳も斗真との未来に思いを馳せていたのだ。
その恋人との辛い別れ。由理佳だって、誰かにいろんなことを吐き出したいだろう。その相手に、以前ある程度、事情を話し、また2人の関係を昔から知っている自分が選ばれたのは、自然な流れだと彩は思う。
間違いなく、明るい雰囲気になり得ない席。場所の選択に苦慮したが、以前、優里と何回か行って、仕事の愚痴をこぼし合ったこともある、イタリアン居酒屋の個室が空いていた。
「彩、突然ごめんね。」
「大丈夫です。ご存じの通り、私ならいつでも、いくらでも融通ききますから。」
案内され、席についた途端、申し訳なさそうにそう言ってきた先輩をなごまそうと、少しおどけながら彩は答えたが
「いきなり呼び出された挙句、こんな話を聞かされて迷惑だろうけど・・・。」
お構いなしに話を続ける由理佳に
(スル-されちゃった・・・。)
やや気まずさを感じながら、彩は容を改める。
「斗真とさ・・・しばらく距離を置くことにしたんだ。」
神妙な表情でそう切り出した由理佳。
(あれ?昨日の斗真先輩の話とちょっとニュアンスが違う・・・。)
内心戸惑いながら
「由理佳さん、ごめんなさい。私、実は昨日、偶然に斗真先輩にお会いしたんです。それで・・・先輩から立ち話でしたけど、お話伺いました。」
彩は答える。
「えっ、そうだったんだ・・・。」
目を丸くした由理佳だが
「それなら話は早いな。」
そう言うと、チラッと笑みをこぼした。
それからサワ-を飲み、ピザやパスタをつつきながら、由理佳は語りだした。
「彼ね、かなり優秀な証券マンらしいんだ。証券マンは基本的にはサラリ-マンだけど、能力や成果によって、報酬が全然違う職業だから。実際、ボーナスの金額なんか聞いても、ビックリするくらいもらってるからね。」
「・・・。」