Far away ~いつまでも、君を・・・~
⑲
2学期になり、すぐに定期試験、文化祭と学校行事は目白押しで、尚輝も多忙な日々を送っていた。
毎年10月第1週の土日に開催される文化祭は、弓道部の新人戦に重なることが多い。今年も例外ではなく、2日目の日曜日、試合を終えた尚輝が帰校した時には、既に後片付けに入っていた。
とりあえず、担任をしている3年C組の教室を覗くと
「あ、先生、おかえりなさい。」
クラス委員の千夏の言葉に続いて、生徒たちがなぜか拍手と歓声で迎えてくれた。
「みんなお疲れさん。どうだった、最後の文化祭は?」
「もう最高だったよ、なぁみんな!」
「イエ~ィ。」
尚輝の問いに、男子生徒のひとりが答えると、また他の生徒たちは大歓声。
「そうか、ならよかった。じゃ、片付けの方は頼むぞ。」
生徒たちの明るい表情に安心した尚輝がそう言って、教室を離れようとすると
「先生!」
と千夏が追いかけて来た。
「おぅ、文化祭お疲れさん。よかったな、無事終わったみたいで。」
「はい、ありがとうございます。」
尚輝のねぎらいに、嬉しそうに答えた千夏は
「ところで、どうでした、今日の試合?」
前主将として、やはり後輩たちのことが気にかかっていたようだ。
「ああ、男女とも団体戦は無事、予選は通った。まずは順調なスタ-トと言っていいだろう。」
「本当?よかった。」
「みんな、葉山先輩の顔を潰すわけにはいかないって、張り切ってるぞ。」
「それは光栄です。」
そう言って嬉しそうな表情になった千夏は
「じゃ私、後片付けに戻ります。打ち上げ7時からなんで、急がないと。」
と告げる。
「ああ。まぁお前がいるから大丈夫だとは思うが、あんまり羽目外すなよ。」
釘を刺した尚輝に
「はい、お任せ下さい。」
笑顔を残して、千夏は教室に戻って行く。3年生にとっては、事実上最後の学校行事になる文化祭。これ以降、彼女たちは本当に受験に向けて、ラストスパ-トだ。その前の最後の思い出作りに、焼き肉の食べ放題で打ち上げをするという。
(青春だな・・・今日は思いっきり楽しめよ。)
生徒たちにそう心の中で語り掛けると、尚輝は教室を後にした。
毎年10月第1週の土日に開催される文化祭は、弓道部の新人戦に重なることが多い。今年も例外ではなく、2日目の日曜日、試合を終えた尚輝が帰校した時には、既に後片付けに入っていた。
とりあえず、担任をしている3年C組の教室を覗くと
「あ、先生、おかえりなさい。」
クラス委員の千夏の言葉に続いて、生徒たちがなぜか拍手と歓声で迎えてくれた。
「みんなお疲れさん。どうだった、最後の文化祭は?」
「もう最高だったよ、なぁみんな!」
「イエ~ィ。」
尚輝の問いに、男子生徒のひとりが答えると、また他の生徒たちは大歓声。
「そうか、ならよかった。じゃ、片付けの方は頼むぞ。」
生徒たちの明るい表情に安心した尚輝がそう言って、教室を離れようとすると
「先生!」
と千夏が追いかけて来た。
「おぅ、文化祭お疲れさん。よかったな、無事終わったみたいで。」
「はい、ありがとうございます。」
尚輝のねぎらいに、嬉しそうに答えた千夏は
「ところで、どうでした、今日の試合?」
前主将として、やはり後輩たちのことが気にかかっていたようだ。
「ああ、男女とも団体戦は無事、予選は通った。まずは順調なスタ-トと言っていいだろう。」
「本当?よかった。」
「みんな、葉山先輩の顔を潰すわけにはいかないって、張り切ってるぞ。」
「それは光栄です。」
そう言って嬉しそうな表情になった千夏は
「じゃ私、後片付けに戻ります。打ち上げ7時からなんで、急がないと。」
と告げる。
「ああ。まぁお前がいるから大丈夫だとは思うが、あんまり羽目外すなよ。」
釘を刺した尚輝に
「はい、お任せ下さい。」
笑顔を残して、千夏は教室に戻って行く。3年生にとっては、事実上最後の学校行事になる文化祭。これ以降、彼女たちは本当に受験に向けて、ラストスパ-トだ。その前の最後の思い出作りに、焼き肉の食べ放題で打ち上げをするという。
(青春だな・・・今日は思いっきり楽しめよ。)
生徒たちにそう心の中で語り掛けると、尚輝は教室を後にした。