Far away ~いつまでも、君を・・・~
「彼は、我々のような年の離れた先輩の話にも、如在なく付き合ってくれて、爽やかないい男だと思っていたから、話を聞いた時には、正直耳を疑ったよ。」
「全くだなぁ。」
自分達よりかなり上、40代半ばと見受けられるグループが、そんなことを話している。
彼らが何を、誰のことを話題にしているか、すぐにわかり、彩の表情はサッと固くなる。
「そう言えば、ここ何年か、彼の顔、見てなかったよな。」
「いつも横に可愛い彼女を連れていたが、あの子も来てないな。」
「彼の同期も、今回は誰も来てないみたいだし、やっぱり顔を出し辛かったのかねぇ?」
「だとしたら、彼らにとっては、とんだとばっちりで、気の毒な話だよ。」
彼らの話は、尚も続いていたが
「廣瀬、気にするな。」
町田がそう言いながら、さり気なく彼らから距離を取るように動いた。
「そうだよ。人の口に戸は建てられないからね。」
遥も慰めるように続けるが
「大丈夫、いちいち気にしてないし、だいたいあの人たち、未だに由理佳さんを彼女だと思ってるみたいだし。」
彩はそう言って笑って見せた。
そんなこんなはあったが、会は盛況のうちに終了。
「本日は本当にありがとうございました。来年もまた元気に再会出来ますよう、幹事会一同、お待ちしております。」
木下の閉会の言葉を背に、会場を出た彩たち73期生7人は、そのままホテル内のラウンジに場所を移し、更に話に花を咲かせたが、それも2時間弱ほどでお開きになった。
「遥、今日はありがとう。」
ラウンジを出て、彩は遥に声を掛ける。
「こちらこそ楽しかったよ。でも、ゴメンね。ホントはもっとゆっくり話したかったんだけど・・・。」
「仕方ないよ。さすがに赤ちゃん、そろそろ心配だもんね。」
「うん。」
気もそぞろと言った雰囲気の親友は、すっかり母の顔になっている。
「そのうちまた、集まろう。じゃ。」
「うん、マチヒロ、気をつけてね。」
遥と町田は連れ立って駐車場に向かって、歩き出すのを見送ると
「じゃ、私たちも行こうか。」
1人が、残った面々に声を掛ける。だが
「ゴメン。私、ちょっと寄って行きたいところあるから。」
と彩は答える。
「そっか。じゃここで。」
「こんなこと言っちゃなんだけど、これから彩は少しは時間が出来るでしょ?だからさっき、町田くんも言ってたけど、近々また、みんなで今度は飲もうよ。」
「うん。暇してるから、是非誘って。」
「わかった。じゃ、また。」
そんな約束をして、駅に向かう4人を見送った彩は
「やっぱり痩せたよね、彩。」
「うん、可哀想・・・。」
表情を暗くして、彼らが話していることには、気付いていなかった。
「全くだなぁ。」
自分達よりかなり上、40代半ばと見受けられるグループが、そんなことを話している。
彼らが何を、誰のことを話題にしているか、すぐにわかり、彩の表情はサッと固くなる。
「そう言えば、ここ何年か、彼の顔、見てなかったよな。」
「いつも横に可愛い彼女を連れていたが、あの子も来てないな。」
「彼の同期も、今回は誰も来てないみたいだし、やっぱり顔を出し辛かったのかねぇ?」
「だとしたら、彼らにとっては、とんだとばっちりで、気の毒な話だよ。」
彼らの話は、尚も続いていたが
「廣瀬、気にするな。」
町田がそう言いながら、さり気なく彼らから距離を取るように動いた。
「そうだよ。人の口に戸は建てられないからね。」
遥も慰めるように続けるが
「大丈夫、いちいち気にしてないし、だいたいあの人たち、未だに由理佳さんを彼女だと思ってるみたいだし。」
彩はそう言って笑って見せた。
そんなこんなはあったが、会は盛況のうちに終了。
「本日は本当にありがとうございました。来年もまた元気に再会出来ますよう、幹事会一同、お待ちしております。」
木下の閉会の言葉を背に、会場を出た彩たち73期生7人は、そのままホテル内のラウンジに場所を移し、更に話に花を咲かせたが、それも2時間弱ほどでお開きになった。
「遥、今日はありがとう。」
ラウンジを出て、彩は遥に声を掛ける。
「こちらこそ楽しかったよ。でも、ゴメンね。ホントはもっとゆっくり話したかったんだけど・・・。」
「仕方ないよ。さすがに赤ちゃん、そろそろ心配だもんね。」
「うん。」
気もそぞろと言った雰囲気の親友は、すっかり母の顔になっている。
「そのうちまた、集まろう。じゃ。」
「うん、マチヒロ、気をつけてね。」
遥と町田は連れ立って駐車場に向かって、歩き出すのを見送ると
「じゃ、私たちも行こうか。」
1人が、残った面々に声を掛ける。だが
「ゴメン。私、ちょっと寄って行きたいところあるから。」
と彩は答える。
「そっか。じゃここで。」
「こんなこと言っちゃなんだけど、これから彩は少しは時間が出来るでしょ?だからさっき、町田くんも言ってたけど、近々また、みんなで今度は飲もうよ。」
「うん。暇してるから、是非誘って。」
「わかった。じゃ、また。」
そんな約束をして、駅に向かう4人を見送った彩は
「やっぱり痩せたよね、彩。」
「うん、可哀想・・・。」
表情を暗くして、彼らが話していることには、気付いていなかった。