Far away ~いつまでも、君を・・・~
同期生たちと別れた彩が向かったのは母校。2年前もそうしたように、久しぶりに懐かしい校内花壇を見て帰ろうと思ったからだ。
そろそろ夕方になろうかという時間だが、夏の日はまだ西に傾く気配も感じられない。
普段なら、夏休みのこの時間はまだ部活の生徒たちの賑やかな声が響いているのだが、お盆時期の今日は、ほとんどの部は休止だ。
唯一の例外は、自分たちOB、OGの為に駆り出された弓道部の後輩たちだが、彼らも後片付けを終え、既に帰宅している可能性が高い。
だとすれば、もう校内には入れないかもと思いながら、引き返して来た彩だったが、まだ校門が開いているのを見て、ホッとしながら、中に入った。
すると
「彩先輩!」
ひょっとしたら、いや学校が開いてるなら、多分会うことになると思っていた人物の声に呼び止められる。
「尚輝。」
彩がその声の方を振り向きながら、呼び掛けると、尚輝は嬉しそうな顔で、駆け寄って来る。
「お疲れ様でした。」
「尚輝もお疲れ様。」
「片付けが終わったんで、ちょうど帰ろうと思ってたところなんです。」
「そうだよね、ゴメン。」
「いえ、大丈夫です。花壇見に来たんでしょ?この前の時と同じで、向日葵が咲き乱れてて、なかなかのものですよ。さ、行きましょう。」
そう言うと、尚輝は彩を案内するように歩き出した。
そして少しすると、まるで黄色の絨毯が敷き詰められたような光景が2人の目に飛び込んで来る。
「本当だ、見事だね。まさに夏真っ盛りって感じだ。」
「なんか青春って感じでしょ?」
「そうかも。」
そんなことを言い合うと、2人は自然と笑顔になる。
「嬉しいことに、この花壇の手入れに参加してくれる生徒が年々増えて来て。」
「そうなんだ。」
「だから、俺の水やり当番の回数もだいぶ減りました。」
「そっか・・・。」
そのまま2人はしばし、目の前に広がる夏の象徴のような鮮やかな黄色に見入っていた。
そろそろ夕方になろうかという時間だが、夏の日はまだ西に傾く気配も感じられない。
普段なら、夏休みのこの時間はまだ部活の生徒たちの賑やかな声が響いているのだが、お盆時期の今日は、ほとんどの部は休止だ。
唯一の例外は、自分たちOB、OGの為に駆り出された弓道部の後輩たちだが、彼らも後片付けを終え、既に帰宅している可能性が高い。
だとすれば、もう校内には入れないかもと思いながら、引き返して来た彩だったが、まだ校門が開いているのを見て、ホッとしながら、中に入った。
すると
「彩先輩!」
ひょっとしたら、いや学校が開いてるなら、多分会うことになると思っていた人物の声に呼び止められる。
「尚輝。」
彩がその声の方を振り向きながら、呼び掛けると、尚輝は嬉しそうな顔で、駆け寄って来る。
「お疲れ様でした。」
「尚輝もお疲れ様。」
「片付けが終わったんで、ちょうど帰ろうと思ってたところなんです。」
「そうだよね、ゴメン。」
「いえ、大丈夫です。花壇見に来たんでしょ?この前の時と同じで、向日葵が咲き乱れてて、なかなかのものですよ。さ、行きましょう。」
そう言うと、尚輝は彩を案内するように歩き出した。
そして少しすると、まるで黄色の絨毯が敷き詰められたような光景が2人の目に飛び込んで来る。
「本当だ、見事だね。まさに夏真っ盛りって感じだ。」
「なんか青春って感じでしょ?」
「そうかも。」
そんなことを言い合うと、2人は自然と笑顔になる。
「嬉しいことに、この花壇の手入れに参加してくれる生徒が年々増えて来て。」
「そうなんだ。」
「だから、俺の水やり当番の回数もだいぶ減りました。」
「そっか・・・。」
そのまま2人はしばし、目の前に広がる夏の象徴のような鮮やかな黄色に見入っていた。